2年前に離婚。思春期の男子三兄弟を育てています。離婚してすぐの頃は精神的にも余裕がなく必死に働いてきましたが、子供達も大きくなり、私自身も「自分の人生」について向き合うようになってきました。
シングルマザーが仕事を探すうえで、まず考えることが正規雇用か非正規雇用かだと思います。それぞれにメリット・デメリットがありますが、子供の年齢や頼れる実家が近くにあるのかなどで人によって決め手は変わってきます。
その上で重要になってくるのが社会保険です。
正規雇用であれば、会社で社会保険に加入することができるので安心です。非正規雇用の場合には、会社によって、また週にどのくらい働くかによっては入れることもあります。
パートを掛け持ちしても社会保険に入れなければ、自身で国民健康保険や国民年金に加入しなければなりません。
私は、結婚してからは夫の扶養に入っていたので、自分で国民健康保険や国民年金に加入したことがありませんでした。離婚して引越した際に、次の仕事が見つかるまで国民健康保険と国民年金に切り替えましたが、毎月の高い支払い額にビックリしました。
まずは年金ですが、国民年金の保険料は一律で決められており、毎年見直しが行われます。会社で加入する厚生年金は、国民年金に上乗せする形で加入するもので収入により保険料は変わります。正規雇用で厚生年金にも入った方がいいと言われるのは、将来受け取れる年金額が増えることになり、老後の安心につながるからなのです。
次に、社会保険は、保険料の半分を勤め先の会社が負担してくれます。また社会保険には、国民健康保険にはない「扶養」制度が設けられており、所得額の少ない家族を自分の扶養者として健康保険に加入させることができ、保険料はかからないのでシングルマザーには大きなメリットです。
一方、国民健康保険には「扶養」という概念がないので、収入のない子どもに対しても人数分の保険料がかかり、被保険者本人が保険料を全額負担します。ですから毎月の支払い額が社会保険よりも多くなるのです。 シングルマザーにとっては、給料や働く時間なども考えなければなりませんが、社会保険への加入もとても大事なポイントになってきます。
シングルマザーになった時に、まず行うのが児童扶養手当の申請でしょう。シングルマザーにとっては命綱のように頼りにしている支援制度です。その児童扶養手当を受けるのに所得制限があるのは多くの方がご存知だと思いますが、その金額をはっきりと知っている人は少ないのではないでしょうか?
児童扶養手当は毎年更新手続きが行われ、その前年度の所得により支給額が決定します。
児童扶養手当の「所得」とは、給料や家賃収入などあなたが得た全ての収入に養育費の8割を足した金額から、定められた控除額を差し引いた金額になります。「所得」には養育費も含まれます。児童扶養手当の申請をした時に提出していますよね。もし養育費の支払いに滞りがある場合には、必ず役所に届け出ておきましょう。
私は、正社員とはいえ手取り額にして20万円に届かないお給料で、子供が3人いるので全額支給は難しくとも一部支給は受けられるものと思い込んでいました。しかし今年度からの支給が停止になったのです。もちろん医療費の補助もなくなりました。
まったく生活に余裕があるわけでもなく、ギリギリのところで所得制限を越えたのだとは思いますが、当てにしていた手当てが突然なくなり途方に暮れました。
このような突然の事態に慌てなくてもいいように、みなさんには自分の年収と所得制限額を把握しておいていただきたいと思います。
上記の通り、私は児童扶養手当の所得制限額はとても低いことを改めて思い知りました。子供を3人育てるために必要な衣食住は何とか賄えたとしても、やはり子供が成長すれば食費もかさみますし、習い事や希望する進路へ進ませてあげたい親心もあります。
正社員にしろパートにしろ、毎日がんばって働いても、少し限度額を超えただけの給料で手当ては停止されてしまいます。しかし、社会保険のことを考えると安定した会社の方がいいのだろうかとも悩むところです。
そんな場合には、正社員として安定した仕事をしながら副業をするという働き方もひとつの戦略です。今は国も副業を推奨しており、またコロナ渦で一気に在宅ワークが盛んになり多種多様の仕事があります。自分に合った副業が見つかれば、安定した収入と社会保険にプラスして年収を上げることが可能になります。
とはいえ、シングルマザーの中には子供が小さかったりして「勤務場所」や「勤務時間」などの制約に対応できない方もいらっしゃるだろうと思います。その場合は、起業という道も考えてみてもいいかもしれません。
シングルマザーが起業を選択するメリットは、
・勤務時間や勤務場所に縛られない
・子供の体調や行事にも柔軟に対応できる
・会社員よりも収入を増やせる可能性がある
という3点があります。
デメリットとしては、シングルマザー以外の人でも同じであるように「失敗した時のリスク」でしょう。 まずは、副業としてスタートしていくと大きな失敗は免れるかもしれませんね。
シングルマザーの仕事選びは、雇用形態からお給料や勤務場所に勤務時間、子供との時間など、考えることが多く、また悩んでいる間にも生活は続くので本当に苦労するところです。
しかし、受けられる支援制度や老後に安心して暮らせる生活費について、「知らなかった」よりもきちんと知識を持ったうえで後悔のない選択をしたいですね。 今は世の中の変化も激しく、シングルマザーでも「やりたい」仕事でイキイキと暮らせる時代だと思います。