未婚で二児の母になったシングルマザー。実家暮らしでフルタイム勤務をしています(現在は育休中)
「家を買う」というと、一般的には自分の城をもつことに対するワクワク感のようなものがあると思います。でも私自身は、あまりマイホームへの憧れはありません。子供を産む前は、2年に一度のペースで引越しを繰り返し、いろいろな街を見てきました。賃貸以外の選択肢を考えたことはありませんでした。しかし、これから子供が学校に通うようになれば、環境をコロコロ変えるわけにはいきません。もしも家を買うならば、本当に購入する価値があるのか?ということに徹底的にこだわって慎重に決めたいと思います。
住居費・教育費・老後資金は「人生の三大費用」と言われています。家は、大きな買い物です。自力で買うことができたら、シングルマザーとしてかなりの達成感・充実感が得られることでしょう。
そして、シングルマザーにとって家を購入することの大きなメリットが、「団体信用生命保険」の存在です。
団体信用生命保険は、住宅ローンの返済中に亡くなってしまったり、高度障害状態になってしまったりしたときに、ローンの残額を肩代わりしてもらえる住宅ローン専用の保険のことです。みなさんに万が一のことが起こっても、残された子供たちが住宅ローンの返済で経済的に困らないようにできるので、ひとり親にとってはとても頼もしい仕組みです。
一方で、ローンを組めば、借りた額に上乗せして金利分を支払わなくてはなりませんし、返済が終わるまでプレッシャーがかかり続けます。ローンがあることでかえって仕事への張り合いが出てくるうと捉えることもできますが、ここをどう考えるのかは人それぞれでしょう。
私が家を買うなら、シングルマザーとして意識すべきと考える3つのポイントをご紹介します。
シングルマザー歴2年。日常生活の中で男手を必要とする場面は、ほとんどありません。お米などの重いものを買いたい時でも、ネットで注文すれば玄関まで届けてもらえます。ただ、防犯の点では、女子供だけで暮らしているのは不安があります。安心して暮らせる家という条件はシングルマザーにとってマストではないでしょうか。最近のマンションであれば、エントランスのドアがオートロックになっていたり、テレビモニター付きのインターホンがついていたり、充実した防犯設備がつけられています。そのような設備が整っている新築・築浅物件を購入できればベストですが、古い物件でも自分で玄関に防犯カメラを取り付けるなど、工夫はできます。また、駅までの道や子供の通学路が安全かどうかも確認しておきたいポイントです。
シングルマザーに不足しがちなもの。それは、「お金」以上に「子供と過ごす時間」ではないでしょうか。生活のために仕事を詰め込み、家にいる間も家事や炊事に追われ、子供の顔を見ながら対話をする時間が少なくなってしまう。それは寂しいことだと思います。時間の使い方を見直してみると、通勤や移動にかける時間の占める割合が高い人も少なくないのではないでしょうか。私の場合、通勤時間だけで往復で2時間半もあります。勤務先の建物の前に着いたと同時に保育園から「お子さんが発熱したのでお迎えお願いします」という連絡を受けて心がポキッと折れたこともあります…。この無駄な時間を”節約”するために「職住近接」を叶えたいです。都市部になるほど家の購入価格は上がってしまいますが、家の広さを我慢するなどして、予算内に収まる物件と出会えたらと思います。
今はシングルマザーだとしても、再婚するなどして家族構成が変わる可能性はゼロではありません。そのときに、同じ家に住み続けるかどうかはわかりません。家があることが足かせになってしまうことすらあるでしょう。また、単身でい続けるとしても、同じ家にずっと住めるかどうかは疑問です。仮にファミリータイプの家を購入した場合、子供が独立して家を出たあとは、部屋が余ってしまいます。なので、”終の住処”として家を買うことは得策ではないと思います。自分が住むだけではなく、ライフステージの変化に合わせて人に貸すこともできることを考えて家選びしたいものです。
シングルマザーは家を買うべきなのか、そして、買うならばどんな家を選ぶべきかを考えてみました。ここまで書いてきて、もう一つのポイントがあることに気がつきました。それは「いつ買うか」ということです。もちろん、景気の良し悪しや税制優遇のタイミングということもあるでしょう。しかし、それ以上に「シングルマザーとしての覚悟が決まったとき」が買いどきなのかもしれません。また、物件との出会いは一期一会です。自分の人生設計や価値観を常にアップデートしながら、日々更新される物件情報と照らし合わせて、運命の物件に出会うことを夢見て貯蓄に励みたいと思います。