未婚で二児の母になったシングルマザー。実家暮らしでフルタイム勤務をしています(現在は育休中)
「仕事探し」と聞いてまず何を思い浮かべますか?地元のハローワークでしょうか。テレビCMで目にするような転職サイトに会員登録したことがある方もいるでしょう。また、近頃ではLINEやSNSで気軽に仕事を探したりキャリア相談を受けることもできます。実は私は現在、仕事の一部として、転職エージェントをしています。また、一度転職をした経験もあります。多種多様な転職関連サービスそれぞれのメリット・デメリットをお伝えします。
ハローワークとは、厚生労働省が全国各地に設置している「公共職業安定所」のことを指します。仕事探しから面接や履歴書作成といった就職活動対策まで無料で実施しています。
ハローワークは、職業安定法によって「公共職業安定所は求職者に対しできる限り就職の際に住居の変更を必要としない職業を紹介する」よう定められています。このため、ハローワークには地元企業の求人が多くあります。居住地域外の求人を探すこともできますが、ハローワークでは求人を出している地元企業と密に連絡を取り合い、求人者を紹介しています。子育てと仕事の両立が重要になるシングルマザーにとって、通勤時間が短く済むことや、子供が熱を出してしまった時など家にすぐに戻ることができる点は大きなメリットと言えるでしょう。
ハローワークに求人を掲載するのは、求人広告費を割けない企業がほとんどです。求人広告に費用を出せる企業、つまり資金にゆとりがある企業や人材採用に力を入れているような企業は、よりよい人材を発掘するためハローワークはあまり利用しません。キャリアアップも視野に入れた転職活動をするのであれば、ハローワークはあまり相性が良くないかもしれません。
インターネットで「転職」と検索すると、ずらりと出てくる転職サイト。リクルート、エン、dodaなど、ほぼ全業種・全職種に対応している”総合型”から、転職する人の年代や業界に的を絞ったものまで様々あります。最近ではワーキングマザー向けのサイトも出てきています。
スマホ一つで情報収集できるのが転職サイトの一番の利点です。WEB上には企業や採用情報が詳細に掲載されていて、実際に働いている人のインタビューまで読むこともできます。また、情報の鮮度が高くほぼリアルタイムで更新されるため、こまめにチェックしていれば人気の出そうな募集に対してタイミングを逃さずに動くことができます。
そもそも本当に転職するべきなのか?どのように転職活動を進めたら良いのか?書類の書き方は?など、転職活動中はつまずくポイントが多くあります。全てを自分で考えて決めて行動するのはなかなか難しいものです。また、メリットの裏返しと言えますが、情報に溺れてしまい、どの企業を受けたら良いのかわからなくなることもあります。
転職サイトに登録すると、企業と直接コンタクトを取る他に、転職エージェントと接点を持つことができるようになります。転職エージェントは、転職候補者と企業との橋渡しをする役目を担います。転職候補者は無料でカウンセリングなどのサービスを受けられます。
転職市場は日々めまぐるしく変化しています。転職エージェントからは、個別の企業のことだけでなく、全体の傾向として今どのような業種が成長していて、人が集まっているのかといったような転職市場の話を聞くことができます。また、表に出ていない募集案件を持っていることもあります。そのような案件も含めた中から転職候補者のキャリアにあった提案をしてくれます。
転職エージェントから受けるサービスは無料とお伝えしましたが、それはエージェントが企業側から報酬を得ているためです。このため、エージェントは企業側の意向に沿った提案をしてくる可能性があります。中には、企業側が急募している案件を強く勧めてきたり、まだ迷っているのに背中を強く押してきたりする、などということがあるかもしれません。「この人の言うことは信頼できる」と思えるエージェントに出会えるまでは、カウンセリングや面談を繰り返す手間があります。
シングルマザーの転職における探し方別のメリット・デメリットを見てきました。シングルマザーは自由になる時間が多くありません。まして、現在働きながら転職活動をするとなると、時間のやりくりが本当に大変です。闇雲に探すのではなく、まずは自分が次の転職に何を求めるのかを明確にしてから、探し方を決めましょう。現在では転職自体は珍しいことではありませんが、シングルマザーが仕事を変えることは、決して簡単なことではないと私は思います。子育ては20年かそこらで終わりますが、「働くこと」とはそれ以上に長く付き合うことになるかもしれません。ぜひ、納得のいく転職をかなえましょう。