未婚のシングルマザー。間もなく第二子を出産予定。実家暮らしでフルタイム勤務をしています(現在は産休中)
シングルマザーと一口に言っても、ひとりで子供を育てることになった経緯や理由は人それぞれです。私の場合は、お付き合いしていた方が最終的に結婚の意思が無かったことが理由で未婚で出産することを決意しました。子供をもつことは夢だったので、産むことへの迷いはありませんでした。しかし、いざ産むと決めてみると、様々な不安が襲ってきたのです。
未婚で出産する覚悟を決めた私が一番不安に思ったことは、子供に不自由のない生活を与え、十分な教育を受けさせられるだけの収入を確保し続けられるのか?それも、一人で子育てをしながらできるのか?ということでした。
未婚で出産するということは、子供に対して父親のいない人生を背負わせてしまうことが決まっているということです。せめてお金のことでは不憫な思いをさせたくありませんでした。特に、教育においては、子供が自分の意思で何かをやりたいと思ったときに、お金を理由に諦めさせることだけはしたくないと思っていました。
また、妊娠当時、私は自営業をしていました。新卒で入社した大企業を飛び出し、安定した収入を捨ててしまっていました。起業してから2年が経っていたものの事業は軌道に乗っておらず、自分への給料も十分に支払えていない状況でした。さらに、経営を続けるには強靭なメンタルも必要です。当時の私には、出産と事業を続けるだけの気力は残っていませんでした。
シングルマザーになると、自分の優先順位を明確につける必要があります。私はシングルマザーになる前は「仕事の充実」が一番大事でその次は「恋愛」といったように、その場が楽しければ良いという価値観でした。しかし、子を持つ親としてはそれでは駄目だと自覚しました。「安定した生活や収入」があることが一番大事。そして、そこから得られる安心感が「生活を快適にする」と考えました。それでは、具体的に私がとったアクションをご紹介します。
生活基盤を一新しました。具体的には、一人暮らしをやめて実家に身を寄せることにしました。これだけで、家賃という大きな固定費の削減ができます。さらなる効果として「これから一人で子育てをしていくのだ」と肩の力を入れすぎていた私に、子育ての大先輩である実母の存在は精神的にとても大きかったです。
とはいえ毎日一緒に暮らしているとつまらないことで喧嘩をしてしまい、距離を置きたくなることもあります。シングルマザーが実家で暮らすことにはメリット・デメリットの両方があります。離婚直後など生活を立て直す必要がある場合は、一旦実家に戻るという選択肢も良いのではないかと思います。
事業を止める決意をしました。自分で始めた事業を撤退することには残念な気持ちもありましたが、安定した収入が得られる見通しが立たないまま継続するわけにはいきませんでした。第一子の生後6ヶ月頃から就職活動を始めました。ご縁あって、ある企業に生後10ヶ月から契約社員として入社し、その半年後から現在に至るまで正社員として勤務しています。
そして、子供の父親に対して正式に養育費を請求しました。条件面については自分で交渉し、行政書士さんに依頼して公正証書を作成しました。さらに、ひとり親やシングルマザー向けの支援制度や補助金・助成金について徹底的に情報収集しました。自分の稼ぎだけで育てていかなくちゃ、と意固地になっても子供のためにはなりません。貰えるものは有り難くいただいて適切に使うという姿勢で常にアンテナを張っています。
自己流でお金の勉強をしてみたり収支計画を立ててみたりしても、将来への不安は拭いきれませんでした。そこで、独立系のファイナンシャルプランナーへ相談しに行きました。ここで大事なことは、よくある無料の相談窓口を利用しないことです。保険会社が主催している場合はやはり保険販売が最終目的になっているため、中立的なアドバイスが得られません。
私が相談したファイナンシャルプランナーの方は1時間1万円強の有料相談を行なっているシングルマザーでした。両親が揃っていることを前提とした画一的なライフプランを立てるのではなく、ひとり親の気持ちに寄り添ったアドバイスをしてくれたことがありがたかったです。こちらも安心して「家は購入派か?賃貸派か?」「資産運用、実際にはどんな金融商品に投資しているか?」など踏み込んだ質問をさせていただきました。おかげで、将来の見通しを立てることができただけでなく、今後、思いも寄らない変化や転機が訪れたとしても柔軟に対応していけるイメージを持つことができました。
未婚でシングルマザーになり2年が経とうとしています。正直に言って、世間の風当たりはやはり厳しいです。ひとり親である分、負う責任は、ふたり親と比べて2倍と言えるかもしれません。
一方で、自分自身がコントロールできるリスクやチャンスも2倍あるのではないでしょうか。リスクと正しく付き合うには、正しい知識を得ることです。例えばお金に関する不安であれば、漠然としたままにしておくとその不安はどんどん膨らんでいきます。具体的にいくら必要で、現状のままではいくら不足しているのか。収入を増やす必要がある場合、年収や時給は簡単に上がるものではないとすれば、節税によって手元に入るお金を増やすことはできないのか。受けられる支援は無いのか。一人ではわからないことであればプロの力を借りて調べるなど、足を動かしてみる。そうやって行動していくうちに、道はひらけてくると思います。
シングルマザーだから不幸、シングルマザーだから大変、というように自分で自分に呪いをかけてしまうのは勿体無いことです。シングルマザーだからこその幸せを、一緒に追求していきましょう。