男の子2人の母、2017年に離婚。新米シングルマザーです。離婚を機に子供の教育資金や老後のことを真剣に考えながらも、自由になった生活を楽しみながら新しいことにチャレンジしています。
離婚をする前から私は障がいのある方が利用する福祉施設で正社員として働いており、いわゆる共稼ぎ夫婦でした。そのため、離婚したからといって仕事を探さなくてはいけないという状況ではなく、安定した収入はありました。
しかし、その収入だけでは日々の生活を送るのもギリギリ、もしくは赤字となるのは目に見えており、子供の教育資金、自分の老後を考えるとこのままではいけないと真剣に考えるようになりました。今している仕事に関連する国家資格を取得すれば収入が増えることもわかっていたため、資格取得が一番の近道だと思いました。
私が目指した資格は、国家資格でもある精神保健福祉士です。無事に合格すれば転職をすることも可能となります。
精神保健福祉士の資格取得を決めた私ですが、その資格を取得するには、4年制大学を卒業し、なおかつ大学で受験資格の要件を満たすための科目を全て履修していなければいけませんでした。
私は福祉とは無縁の一般短期大学を卒業しているため大学に3年次から編入しなければいけないのですが、もちろん学費もかかります。そこで、ひとり親世帯であるからこそ受けることができた支援を利用し、大学に通っています。
私が大学へ行くために利用したのは、児童扶養手当を申請した時など一度は目にしたことがある「高等職業訓練促進給付金」制度です。これは、児童扶養手当を受給しているひとり親の方で、定められた資格を取得するために養成機関等に通う間の生活費を支援してくれる制度です。
私が目指す精神保健福祉士はこの高等職業訓練促進給付金の申請に該当する資格でした。また、この精神保健福祉士は大学に通学しなくても大学の通信学部で勉強を進め単位を取得することができるため、現在の仕事を辞める必要はありませんでした。いくら学生の間の生活費を支給してもらえるといえ、私は支給される約7万円では生活することができません。
しかし、通信学部であれば現在の仕事を辞める必要がなかったため、この制度を利用し資格取得を目指すこととしました。
いざ、大学に合格したものの入学した4月から怒涛の勉強生活が始まりました。単に大学を卒業すればいいというわけではなく、国家資格の受験要件を満たすために数十個の科目を計画的に履修しなければいけません。
履修して単位を得るためにはテストを受ける必要があり、もちろん合格しなければ単位を修得することはできません。この勉強生活は、かなり予想以上に過酷なものがありました。
まず、私の1日の生活をご紹介します。
・5:00~ 起床 朝食、子供・自分のお弁当作り、夕食の下ごしらえ
・7:15~ 自宅から職場へ向かう
・8:00~18:00 仕事(残業も含む)
・19:00前 帰宅
・19:00~ 夕食、片付け、入浴、洗濯
・22:00~24:00 勉強
この生活が毎日続きます。時に勉強中に寝てしまうことや子供の用事などで勉強をする時間がとれないこともあります。試験間際になると、職場の昼休みも勉強し、正直精神的にも負担がずっしりとかかる時もあります。
しかし、この生活をするようになり時間を有効に使うことができるようになりました。
シングルマザーになったからこそ、収入アップのためにこの資格取得を目指すことになったのですが、このような生活はきっとシングルマザーだからこそできるのではないかと感じています。もし、夫がいたならばここまでして資格取得や収入アップを目指してはいないのと同時に、家事などが終わった後も自分の時間を持つことができなかったように思います。
この生活をスタートして約1年が経過しますが、この1年目に履修し修得しなければいけない単位は全て修得することができました。あと、残り1年の間に残された単位や演習(県外に泊りで行く必要があります)、そして国家資格のための勉強をこなしていかなければいけません。まさに、勝負の年となります。
「シングルマザーだからこそできる覚悟の現れ」と友人に笑われることもありますが、今の自分を自分で褒めてあげたいと思います。本当に褒めてあげられるのは、資格試験に合格し、無事に精神保健福祉士になってからですね。
精神保健福祉士の資格を取得すると今の職場では、資格手当がつきます。その金額は月2万円です。これはかなりシングルマザー世帯にとっては大きな金額ではないでしょうか。勤務先によっても異なるかもしれませんが、私の職場はそれほど大きな規模の施設ではないのですが、これだけの資格手当がつきます。
また、精神保健福祉士の資格を取得することによって、施設だけではなく精神科病院でソーシャルワーカーとして働くことができるため、働き口が広がると同時に給料も上がります。
資格取得後は、より高収入を目指して転職をしたいと考えています。福祉施設と病院などの医療機関では基本的に収入に大幅な差があるのが現状です。仕事、勉強、家事をこなす生活は大変です。でも、それを乗り越え資格試験に合格することを目指してやってこれたのは、収入アップためです。
求人などを見ていてもこの資格の有無によって求人先も給料も選ぶことができます。まず、仕事を選ぶことができるというのはシングルマザーにとっては大きなことであり、子供の教育資金を優先的に貯めて、子供が社会人になったらすぐに自分の老後に向けて貯蓄を始めなくてはいけません。目先の生活はもちろん大切ですが、少し将来を見据えて、収入アップのために自分が今できることを考えて行動することが重要だと思います。
資格は自分のスキルでもあり、そのスキルは自分を裏切ることはありません。私は、資格取得のためのこの生活を通して、自分に自信を持つことができたと同時に何歳からでも、挑戦しようと思ったならばできること、遅くはないことを子供たちに身をもって教えることができたのかなと思っています。
シングルマザーは収入アップの方法や、そして子育てについても時として迷い、誰かに助けを求めることもあると思います。しかし、自分の生活を成り立たせるために誰かに頼ってばかりではいけないので、資格取得をし、転職を視野にいれながら収入アップを図るなどの自ら起こす行動がとても大切だなと思います。私も、あと1年この生活を楽しみ、精神保健福祉士の資格取得に励みます。