23歳で結婚しその後長男を出産。長男が生後4か月の時に就職し、フルタイムで働きながらの子育てが始まります。結婚生活4年目で別居を決意しその後離婚。離婚から2年後、現在の夫と出会い再婚を決意します。その後、次男を出産し4人家族として生活を送っています。
シングルマザーが離婚を決意した理由には、人それぞれ様々な要因があるでしょう。その反面、離婚をする際は誰もが同じことを考えるはずです。それは「離婚して子供と幸せになる」ということではないでしょうか。実際に私も、子供との明るい未来を想像し離婚を決意した中の一人です。勿論、シングルマザーとしての生活は苦労する点もあります。しかし私が感じたのは、至るところで幸せを感じるメリットがあるということです。シングルマザーになることは、決してマイナスなことばかりではないのです。
シングルマザーになった経緯は人それぞれでしょう。その要因はひとつではなく、多くの事柄が絡んでいると思います。では、私がシングルマザーになった経緯や当時の心境をご紹介します。
夫婦にとってお金の問題というのは、擦り合わせが非常に重要だと言えるでしょう。それまで他人として暮らしていた男女が、夫婦になり同じ屋根の下で暮らすのは容易なことではないのです。特に金銭感覚はお互いに価値観を合わせていないと、不仲の原因にもなり得ると考えられます。
私の離婚原因のひとつは、お金の問題です。前夫とは私が24歳の時に結婚します。交際歴は1年にも満ちていませんでしたが、お互いの両親とも顔を合わせていたので結婚への不安はそれ程ありませんでした。当時から前夫はギャンブルをしていましたが、趣味程度の範囲で楽しんでいると認識していました。
長男出産後、生後4か月で働き始めた私はフルタイムの仕事と子育て、家事に追われ息つく間もありませんでした。前夫は当時、整備士の仕事をしており収入が十分とは言えなかったのです。私自身、働くことに対して特に不満はなく、とにかく家族が生活出来ればという思いだけでした。共働き世帯において夫の協力は不可欠ですが、前夫の帰りが遅いこともあり殆どがワンオペ育児状態でした。休日はお互いに仕事のストレスなどで口論が絶えず、その頃から夫婦関係はギスギスし始めていたと思います。
そんな時、前夫の突然の転職宣言。給与に満足出来ない前夫は、不動産関係に転職を希望します。そして転職後はますます帰宅時間が遅くなり、ほぼ家で顔を合わせる時間はありませんでした。飲み会も多く、月に何度も追加でお金を渡すようになりました。しかし、以前よりも給与額は多く、賞与や決算手当も業績によって支給されていたので「家族の為に働いてくれている」という気持ちは常にありました。
そんなある日、前夫のとある銀行の通帳が見当たらないことに気付きました。その通帳は給与は振り込まれませんが、賞与の振り込みに使われていた口座です。前夫は「多分紛失した」と主張しましたが、不審に感じた私は「すぐに銀行に紛失の連絡をして」と返答しました。翌日帰宅するとテーブルの上に再発行された通帳が置かれていましたが、中を見ると最新の残高のみしか記帳されていない状態だったのです。そしてその翌日、私は銀行印と通帳を片手に銀行窓口へと出向き、以前の記帳が必要なので印字できないかと問い合わせました。銀行は私の身元を確認し、紙で過去のデータを出力してくれました。渡された用紙には、1日に何度も数万円を出し入れしている記録が記されており、時には数十万円の引き出しがある日もありました。前夫を問い詰めると、そのお金は私に隠していた会社からの決算手当と仕事中にギャンブルに使用していたお金だと判明したのです。
前夫程ではありませんが、少なくとも私も必死に仕事をしていました。その頑張りを全て踏みにじられたと感じた私は、前夫を相当罵ったと記憶しています。しかし、子供のことと謝罪をした前夫を見てその時は離婚を思い留まりました。その後は、前夫への信頼も薄く家庭内も冷ややかな空気が流れていたと思います。
そんなある日、ポストに1枚の葉書が届きました。それは、借金の返済予定表だったのです。総額はおよそ300万円。一瞬頭が真っ白になった私は、思わず実家の母へ電話を掛けました。前夫に借金の理由を問い詰めると、ギャンブルだということが判明。仕事や家庭のストレスをギャンブルで発散している内に歯止めが効かなくなったそうです。正直、家族の大黒柱は前夫でしたので感謝の念もありました。しかし、2度も繰り返されるお金の問題に前夫への信用は0に等しくなったのです。離婚の2文字が頭をよぎり、その後私は1年の別居期間を設け離婚に踏み切ったのです。
前夫のお金の問題が離婚の引き金でしたが、離婚の要因は他にもあったと感じています。それは前夫だけではなく、自分自身に対してもです。ですので、離婚時は前夫への怒りや憎しみといった感情はなく、心のモヤが晴れたという感覚でした。とにかく子供をシングルマザーとして育てていくということに対し、金銭的なことや仕事のことで不安が大きかったと思います。しかしその一方で、子供と2人で自由になれたという解放感にも包まれていました。それまでの生活は前夫の存在や夫婦関係のことで悩む日々が続いており、暗くマイナスな思考を繰り返していました。私にとってシングルマザーになったということは、負のサイクルから抜け出しポジティブな日々を過ごせるということに切り替わったのです。その喜びは「何としてでも子供と生きていく」という前向きな決意にも影響しています。
よく一般的に「離婚は、結婚の何倍ものエネルギーを使う」と言いますが、まさしくその通りだと思います。場合によっては、更に何倍ものエネルギーを使うこともあるでしょう。離婚を実行に移す行動力は、離婚後の明るい未来に向かうエネルギーだと私は考えています。誰しも離婚は、不幸になる為ではなく幸せになる為に決意するのです。その決意をどれだけ覚悟を持って出来るかで、その後のシングルマザーとしての踏ん張りが変わると思います。
離婚を経てシングルマザーになると、それまでの生活は一変します。では、実際に私がシングルマザーになって感じたメリットやデメリットをご紹介します。
シングルマザーのメリットは、何と言っても全てにおいて自由ということでしょう。子供との生活は何にも縛られることなく、好きなように生活することが出来ます。そして何より、それまで共に暮らしていた前夫に関わる全てのことをする必要が無くなったのです。帰宅してからの前夫のご飯や洗濯物、片付けなどから解放され自由を手に入れたと私は感じました。
また離婚の決め手が借金だった私は、ある意味お金の不安からも解放されたのです。それまでの不安が解消されると、私自身心に余裕が生まれました。その心の余裕はシングルマザーにとって、子供と笑顔で過ごすための重要なポイントではないでしょうか。シングルマザーになることは、それまでのマイナスだった部分をプラスに変えられるチャンスでもあるのです。
シングルマザーのデメリットは、やはり金銭的な問題でしょう。それまで一家を支えてきた大黒柱がいなくなり、1人で家庭を支えていかなければなりません。その責任は大きく、自分が支えなくては子供にも影響が出てしまうのです。また、その分働かなくてはならないシングルマザーは、それまでよりも子供との時間が少なくなるということも挙げられます。多くのシングルマザーがその間で葛藤を抱きますが、シングルマザーになると決意した瞬間から覚悟しなければならないことでもあります。私自身、子供との時間は少なくなりましたが、休日や仕事終わりの時間は出来るだけ密接に過ごそうと心掛けていました。そうすることで、完全にデメリットを消失することは難しいですが、小さくすることは可能だと私は考えています。
シングルマザーになることにマイナスなイメージを持つ方もいるでしょう。しかしシングルマザーになることは、それまでの不安だった生活から抜け出せるというメリットもあるのです。幸せには様々なカタチがあります。シングルマザーという生き方は、その中のひとつに過ぎないのです。