子供が1歳のとき離婚し、3歳のとき現在の夫と再婚。アメリカ人の夫とは育児の常識が違うので、カルチャーショックを受けることも多い。現在はカウンセラーとして女性の悩み相談・メンタルケアに対応。URL:https://megumiriyo.themedia.jp/
私と現在の夫が再婚したのは、私の離婚から約2年半が経過した頃でした。私は子供が1歳のときに、前夫のDVや女性問題などが原因で離婚し、フルタイムで働きながら子供と2人で暮らしていました。そんな中、離婚後半年ほどたち、仕事を通じて知り合ったのが今の夫です。しばらくは単なる仕事上の関係者だったのが、徐々に友人になっていき、交際することになりました。
付き合い始めた当時、まだ子供は1歳だったこともあり、育児を手伝ってもらううちに割とすんなりと打ち解けていきました。子供と実質的に父子の絆が育まれていくにつれて、彼も再婚を意識していったようです。知り合って約1年半後にプロポーズされ、子供が3歳のときに再婚が決まりました。
私たちの再婚には、私に子供がいること以外にも考慮しなければならない課題がありました。彼はアメリカ人で、仕事で日本に来ていたため、子連れ再婚と同時に国際結婚となるのです。しかも彼は再婚を決意する前、アメリカに帰国しようと考えていたため、私は再婚は難しいかもしれないと悩んでいました。結果として彼が帰国を取りやめ、日本で起業することになったので再婚に至りましたが、もし遠距離恋愛になったり、再婚のために海外に移住しなければならない状況だったとしたら、うまくいかなかったかもしれません。
再婚が決まり、最初に報告した相手は私の母でした。母は彼のことを非常に気に入っており、私の子供と彼の絆も分かっているので、私たちの再婚を願ってくれていたからです。再婚するとなれば国際結婚になり、住む場所の問題もあることから私が悩んでいたのも知っていたので、早く安心させたいと思いました。母はとても喜んでくれましたが、同時に再婚後どこに住むのか、日本を出る可能性があるかは心配していました。再婚後も日本に住む予定であることを伝えると、心底安心したようでした。
同じように私の兄弟や親戚に報告を済ませましたが、やはり全員「再婚後も日本にいられるのか」という点を一番気にしていたように思います。また、彼が外国人ということもあり、うまくいくのか不安だったようですが、実際に対面し、子供が彼と自然に父子として一緒にいるのを見て、ほっとした様子でした。
私の友人たちには、交際時から彼のことを徐々に紹介していたこともあり、再婚もすんなり受け入れ、応援してもらえました。こうして日本のコミュニティに受け入れられているという安心感も、彼の日本に残るという決断を後押ししたように思います。友人たちは一緒になって結婚式の準備なども手伝ってくれ、心があたたかくなりました。
反対に少し苦労したのは、彼の側の両親・親戚への再婚報告でした。というのも、私たちが最初に交際をはじめたとき、彼と私の年齢差(私が彼より6歳年上です)や、私に子供がいることなどを理由に、交際に大反対されていたのです。誰も応援してくれない状況に私たちは深く傷つき、彼は家族に対して、私とは別れたと嘘をついて交際を隠しました。
プロポーズされたとき、私はてっきり、既に彼の両親も私たちの関係について承知なのだろうと考えていましたが、実際は彼は私との交際について両親に打ち明けられずにいたそうです。しかしこのままでは再婚できないと、ある日意を決して、彼から両親に再婚を報告したところ、寝耳に水の両親は非常に驚き、それからすぐにアメリカから日本へ飛んでくることになりました。
義両親が急遽来日することになり、突然の初対面となること、しかも再婚どころか交際の事実も把握していなかった義両親は大混乱…と聞いて、私もすっかりパニックになりました。彼の家族は地元では名の知れた富豪であること、そして義母は厳しい女性らしいということも、私にとって大きなプレッシャーでした。最初から良く思われていないということを知っていたこともあり、初対面には本当に尻込みしました。
しかしそこで大きな助けになってくれたのは、義父の存在でした。お嬢様育ちの義母と違い、義父は叩き上げで苦労して財を成した人物だったのですが、その義父が私の境遇に共感してくれていたのです。どうやら来日するまでに、義父が義母をこんこんと説得してくれたらしく、初対面は想像したような修羅場にはならずに済みました。
また、私の子供を義両親が非常に気に入ってくれたこともプラスに働きました。2人とも子供好きなこともあり、実際に子供を見てからは反対する気も失せたのか、「初孫ができた」とベタベタにかわいがってくれました。魚心あれば水心で、子供も義両親にしっかりなつき、おかげで再婚に関する話し合いもスムーズに進めることができました。しかし義両親からは「息子が何も言ってくれないから心底驚いた。次からは何でももっと早目に打ち明けて、心の準備をさせてほしい」と、しっかり言われましたが…。
結局、義両親ともに私たち親子を気に入ってくれたため、再婚に対する最大の反対はなくなりました。そして「親戚の説得は任せなさい」という義母の言葉に甘え、今度はしっかり根回しをしてもらってから、彼の親戚一同に報告することとなりました。実際に親戚たちと対面したのは、再婚後の年末でしたが、非常にあたたかく迎えてもらい、涙が出るほど安心しました。
それ以外の友人・知人には、再婚後に年賀状を通じて報告することにしました。学生時代の恩師などには会う機会もなかなか無いため、長年年賀状だけのやり取りの人が多く、私が離婚したことも詳しくは知らない人がほとんどです。少し悩みましたが、年賀状に写真を添え、「再婚しました!」と書くと、後日メールなどを通じて「おめでとう」「優しそうな人でよかった」「安心した」といった言葉が届きました。
子連れ再婚の報告で最も苦労したのは、何と言っても義両親への打ち明け方でした。特に最初に交際を反対されていたため、再婚が決まるまで関係を隠す結果になってしまったことは、何か他のやり方があればよかったと反省しています。反対されていても、もっと早くから徐々に状況を知らせていれば、お互い土壇場でパニックになることは無かったかなと思います。
再婚報告の手助けになったのは、あたたかく再婚を応援してくれた面々の存在でした。出会いの当初からの事情を知っており、私たちを家族として自然と受け入れてくれた人々がいたからこそ、勇気を出して他の人にも打ち明けていけたと思います。
また、義父のように、反対派の中に協力者となってくれる人がいたことに非常に救われました。私たちの実際の姿を見てもらうこと、少しずつ祝福してくれる人を増やしていくことが大切だなと思いました。
子連れ再婚には、自分だけではなく子供の未来もかかってくるだけに、大きな勇気が必要です。ただでさえ課題の多い状況なので、周りの人々からは反対よりも祝福・応援してほしいのはもちろんのことです。これから再婚するシングルマザーのみなさんが、周りへの再婚報告をスムーズに進め、祝福されて子連れ再婚にのぞめるよう、心からお祈りしています。