離婚歴12年のシングルマザー。現在は反抗期を迎えた娘に手を焼きつつ、仕事も趣味も恋も楽しんでいます。
私が離婚をした原因は元夫の酒癖の悪さでした。恋人同士だった期間に一緒にお酒を飲む機会もありましたがその時に変わった様子はなく、結婚して一緒に住むようになって初めて元夫の酒癖の悪さに気がつきました。普段は大人しい人でしたがお酒を飲むと性格が変わります。機嫌が悪いと部屋の中をぐちゃぐちゃにして物を投げつけたり、大声を出したりということがありました。
幸い、私に対して暴力を振るうようなことはなく普段は優しい人でしたから、飲んだ時だけは仕方ないと我慢をしてきました。妊娠が分かった時はとても喜んでくれて、その様子を見て子供ができれば酒癖の悪さも治まるかもしれないと考えていました。
出産後、娘のことは可愛がってくれましたが相変わらずお酒を飲むと遅くに帰ってきては部屋で暴れたり大声を出すため、やっと寝かしつけた娘が帰ってきた元夫の大声で目を覚ましてしまうことが何度もありました。元夫は酔うと記憶がなくなってしまうようで自分がしたことを一切覚えていませんでした。酔って帰宅した夫とケンカになることが増え、物を投げつけられたり突き飛ばされたり、包丁を持ち出したりと段々私に対しても暴力的な行為をとるようになりました。
翌朝、目が覚めて荒れた部屋や怪我をしている私を見て初めて自分がしたことに気づき、その場では反省の言葉を口にします。しかし元々お酒が好きなこともあり、仕事の付き合いでお酒を飲む機会があると飲まないという選択ができないようで、同じことを何度も繰り返す元夫に我慢の限界と身の危険を感じ離婚を申し出ました。
最初はなかなか離婚に応じてくれませんでしたが半年程話し合いを繰り返してようやく離婚が成立しました。
正直なところ、離婚しようと思った時は元夫から離れたい一心でシングルマザーになることについては深く考えていませんでした。自分と娘の身を守ることに必死で先のことまで考える余裕はありませんでした。私は出産前に仕事を退職したため当時は専業主婦でしたが、独身時代の貯金があったため当面の生活費は何とかなりそうだったことで離婚に踏み切ることができました。
離婚後、実家にお世話になりながらパートで働き始めましたが、パートの収入では毎月が赤字で貯金を切り崩して生活をしていました。残高が減っていくばかりの通帳を眺めて、この先どうなってしまうのだろうと考えるとどんどん不安になっていきました。実家には母と祖父母がいましたが、母は正社員として働いていて祖父母は高齢で娘の面倒はみれませんから、当時はパートで働くのが精一杯でした。母に収入があったため児童扶養手当ても受給できず、この頃は本当にお金のことばかり考えていました。
しかし、ただ不安になっているばかりでは何も解決しません。どれだけ頭で考えようが今の自分にはパートしかできないのだから今できることをやろうと決めました。長い目で見て娘を育て上げることが重要。今は収入が少ないのだから貯金が減ってなくなってしまっても、また増やせばいいと意識を変えるように心がけました。
そして、まずは娘が小学校の高学年になるまでに正社員として働くという目標を立てました。正社員として働けるようになったらしっかりと貯金をすることにして、それまでは毎日の生活を重視するようにしました。
パートの仕事は何度か転職し、その度に働く時間を増やしていきました。おかげで娘が保育園や小学校の低学年のうちはパートの収入と養育費だけで月々の生活費はまかなえるようになりました。
そして日頃から子供が大きくなったら正社員で働きたいと口にしていたため、運良く友人から今の仕事を紹介してもらい娘が小学4年生の時に目標であった正社員としての就職をすることができました。今年で働き始めて5年目になりますがパートの頃と比べると収入は2倍になり、ようやく貯金もできるようになりました。娘の大学進学を考えるとまだまだ目標額には届きませんが、必要な時に必要な金額を用意できるよう計画しながら貯金をしている途中です。
離婚時に1歳3ヶ月だった娘は今年で13歳に、私は26歳から38歳になりました。正社員として働くようになって収入が安定したことで経済面での不安は少しずつ解消されてきました。代わりに少しずつ感じるようになってきた不安があります。それは自分自身の人生についてです。
20代後半から30代前半は育児と仕事と家事に追われて自分のことは後回しにしてきましたが、娘も大きくなって物理的に手がかからなくなってきたことや、自分自身が30代後半に突入したこともあって自分の人生について考えるようになりました。
娘は小学校高学年になった頃から休日は友達と遊びに行く日が増えて家にいる時間が減りました。中学生になった今は土曜日は部活、日曜日は友達と、休日は1日中家にいません。小さな頃はいつでも一緒に過ごすことが当たり前でしたが、年々親離れをしている気がします。高校生、大学生と歳を重ねるごとに一緒にいる時間はさらに減っていくでしょう。そうなってくると自分も楽しみを見つけておかないと独りの時間を持て余すのではないかと不安に駆られるようになりました。
そこでこれまで時間に余裕がなく遠のいていた趣味を充実させることにしました。独身の頃から音楽や美術が好きでライブに行ったり、美術館に行くことが好きでした。他にも読書、カメラ、旅行など多趣味であったため新しく何かを探さなくてもやりたいことはたくさんあります。最近はSNSが普及したことで共通の趣味を持つ仲間を探すことが気軽にできるようになりました。私も自分が撮った写真を載せるSNSのアカウントを通じてカメラが趣味の人達と出会うことができました。そこで出会った人達は同じように音楽や美術も好きな人が多いため一緒に出かけたり、趣味の話で盛り上がる友達ができたことで、育児と仕事以外に趣味の時間を充実できるようになりました。
育児と仕事と趣味が充実して楽しい毎日ではありますが、他に足りていないなと思うことは恋愛でしょうか。
シングルマザーになってから何度か男性とお付き合いをした経験があります。まだ娘が小さかった頃にお付き合いをしていた男性とは交際期間が長くなり再婚の話が出るようになりました。私は娘以外に子供が欲しいとは思いません。再婚後に幸せな家庭を築いているステップファミリーがたくさんいることは理解していますが、実子と連れ子に差が生まれてしまう可能性は否定できません。その可能性を考えると再婚後に子供を授かることにどうしても抵抗を感じてしまうため、再婚願望は離婚後から一環してありませんでした。子供を望まないことや再婚を考えていないことは相手の男性に最初から伝えておきました。納得してそれでもということでお付き合いを始めましたが、付き合いが長くなると相手の方から再婚の話が出てくるようになり、再婚するのであればやはり自分の子供も欲しいと言うようになりました。相手の気持ちも理解はできましたが、再婚後の子供に対する考え方のすれ違いから一緒にいるのは難しいと判断し別れることを選択しました。
それ以降、あまり恋愛をしたいという気持ちになることもなかったのですが、ここ数年ぼんやりと将来的にパートナーが欲しいなという気持ちが芽生えるようになりました。独りでいることが苦になるタイプではありませんが一緒に時間や経験を分かち合える相手がいたら、この先の自分の人生がさらに楽しくなるのではないかと思い始めたのです。娘のことは離婚した時から独りで育てるつもりでいましたから経済面で頼るつもりは最初からありませんし、娘の父親が欲しいという気持ちもありません。シングルマザーの恋愛となるとどうしても子供のことがありますから再婚が前提のようになってしまいがちですが、そうではなく自分と相手だけの関係性で成り立つようなパートナーを探したいと思い、去年2ヶ月間ほどマッチングアプリを利用してみました。
同世代の友達が2人立て続けにマッチングアプリで出会った人と結婚をして、色々と話を聞いたことが試してみようと思うきっかけでした。その結果、私の状況に理解がある方との良い出会いに恵まれてお付き合いが順調に進んでいます。もちろんシングルマザーであることは最初に伝えてあります。まだ始まったばかりですから先々のことはわかりませんが、2人の関係が安定したらいずれ娘にもパートナーができたことを報告できるといいなと思っています。
離婚した当初はシングルマザーとしての生き方に不安ばかり感じていました。今でも育児と仕事の両立や経済面は決して楽ではありませんし不安が消えたわけではありません。それでも、辛かった結婚生活から抜け出し自分らしく生きることができるようになったことで、結婚していた頃より今の方がずっと幸せだと言い切れます。シングルマザーは苦労も多いですが、そのぶん自由があります。自分で考えて行動して、その結果得た楽しみや幸せは自分が掴み取ったものです。それを実感するたびに、シングルマザーになって良かったなと思えるようになりました。事情があってこれから離婚を考えている人や、シングルマザーになったばかりで不安に感じている人がいたら、辛いことばかりではありませんよ!と伝えてあげたい気持ちです。