シングルマザー歴は5年。現在は実家暮らしですが「ゆくゆくは娘たちと3人暮らしをしたい」と夢見るシングルマザー。ノー甘い物、ノーライフ!
私がシングルマザーになったばかりの頃は、在宅の仕事として語学のオンライン講師をしていました。収入はとても少なかったのですが当時は養育費もあり、実家で暮らしている分にはあまり困っていませんでした。
そんな生活を2年ほど続けた頃、上の子供が小学校にあがるタイミングで上の子は18時までの学童保育、下の子は18時30分までの延長保育を利用することになり、私は新しい仕事を始めることに。実家にいるとはいえ、私の親も仕事をバリバリしていたので、家事や育児は実質ひとりでこなしていました。子供達もまだ小さく、特に下の子は体調を崩すことが幾度かあったため、フルタイムで正社員として働く自信がなく、パート社員の仕事を探すことにしたのです。
まずは求人サイトで仕事を地道に探すことに。しかし、私はその段階でつまづきます。
私には障害があり、できる職種が限られていたため、応募するまでがひと苦労だったのです。大都市に住んでいた学生時代はアルバイト探しにそれほど苦労しなかったものの、この頃は地方にいたため、仕事の数自体があまりありませんでした。
また、やっと応募出来る仕事を見つけたとしても、「もう少し障害の軽い人がいいな」「この仕事が出来ないなら採用はできない」と面接前に断られることも度々。
わずかな給料の在宅の仕事を続けながら、ひたすら仕事を探し面接を受け、家で結果の連絡を待つ毎日でした。
「他の人は仕事に行っているのに…」「子供を2人もかかえているのに、仕事がないなんて…これから大丈夫だろうか」
不安とプレッシャーで心が押しつぶされそうな毎日でした。
就職活動に困り果てて数ヶ月が経った頃、友人から「知り合いの雑貨店で作製と接客のスタッフを募集している」という話を聞き、昔から興味のある仕事だったこともあり紹介してもらうことになりました。
採用されたばかりの頃は週4日、9時~16時までの勤務。下の子が小学校にあがってからは、ときどき土日祝も仕事を入れるようにし、週5~6の勤務でシフトを自由に組んで働けるようになりました。
大変な事もありますが、お客さまから「楽しかったよ、ありがとう。」「このお店大好きなんです。」などと声をかけていただくことも増え、日々楽しく仕事ができています。お店のオーナーもとても良い人で、私の働き方に関する相談に積極的に乗ってくれたり、子供の体調不良で早退してしまうときも快く対応してくれたり、とても感謝しています。
最初は苦労した就職活動ですが、私の存在を認めてくれ、能力を存分に発揮できる職場に出会えたことは、本当に嬉しいことです。
雑貨店で働き始めて2年が経ったある時、オーナーから「友人がアミューズメント施設でデザインの仕事が出来る人を探している」という話を聞きました。「いつかはデザインの仕事が出来たらいいなあ…」と思っていた私はダメもとで申込み、その結果、週2日の9時~16時勤務でアミューズメント施設に採用されることになりました。
デジタルのデザインはまだまだ勉強中ではありますが、上司や先輩スタッフが丁寧に仕事を教えてくれます。興味があった仕事を着実にスキルアップしていけることはとても嬉しいことです。また、黙々と取り組める仕事内容は私には合っているので、やりがいも感じています。1人体制が多い雑貨店とは違い、複数のスタッフが在籍している施設は雰囲気も違い、刺激にもなりました。
雑貨店での仕事とアミューズメント施設での仕事を併せて、月10万円ほどの収入を得る事ができ、少し生活にも余裕が出てきました。
専業主婦から離婚し、なんのスキルもなくシングルマザーとなってしまった私でしたが、同じようにキャリアもスキルも持ち合わせずにシングルマザーとなった人は少なくないはず。そんなシングルマザーがいきなり正社員を目指して就職活動をしようとなると、厳しい現実が待ち受けています。未経験の人を一から教育するのは、コストもリスクもかかるという採用側の見解があるからです。
そういう状況を考慮し、私はパート社員という働き方を選択しました。実際に仕事を通して、「パート社員でよかったな」と思っている点は下記の通りです。
子供の学校行事などで休みがほしい時でも、自由にシフトが調整できるのはパート社員ならではです。
パート社員であれば、基本的に残業はないため、決まった時間に帰宅することが出来ます。子供の保育園のお迎えなどがある方は時間を合わせやすいです。
パート社員はダブルワークが出来る場合が多いです。いくつかの会社で仕事を掛け持ちすることで、その分、経験やスキルを積むことができます。会社によって仕事内容や雰囲気は違うので、気持ちを切替えて働くことができたのは、私にとって良いことでした。
以上、「パート社員でよかった」と思うことをお伝えしましたが、パート社員だからといって甘えていいということではありません。出来るだけ周囲に迷惑をかけないよう、体調管理やスケジュール調整を心掛けることが大切ですよね。
パート社員の求人はワーキングマザーの採用を積極的におこなっている会社もあり、労働条件次第では雇用保険にも加入することができます。ご興味ある方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
子供が中学生や高校生になると、パートの収入だけでは不安になってしまいますよね。一方で、収入を上げるためにパートの仕事をいくつも掛け持ちすると、体力的にも精神的にも非常に負担がかかります。こうなると、「やっぱり安定した収入が得られる正社員がいい」と思うもの…。
シングルマザーのなかには、パート社員から正社員になった先輩ママたちがいます。
キャリアやスキルがない専業主婦からいきなり正社員になるのはハードルが高くても、パート社員として数年経験を積めば、その経験を次の転職先でアピールすることができます。
その他、日頃の勤務態度が評価され、勤続先の会社で正社員に登用されるというケースもあります。
子供が小学校高学年になったら、中学生になったら、と中長期的な目線で自分に合った働き方ができる会社を見つけることができれば嬉しいですね。
私の場合は障害があるため、採用してもらえる職種が限られてしまい、就職活動で苦労した経験がありました。その苦い経験から「それなら働ける場所を自分で作ってしまおう!」とカフェ開業を目指して、現在もパートを続けながらではありますが物件探しや資金集め、起業家セミナーへの参加などといろいろ奮闘中です。
雑貨店とアミューズメント施設のパートを通じて出会ったお客さんや仲良くなった友人の中には、個人事業主も何人かいて、起業におけるアドバイスやスキルアップの手助けをしてもらっています。個人的には、これはパートの仕事を一生懸命やっていたからこその賜だと思っています。
会社や店ではなく「私」という個人の頑張りを見てくれている人たちが「あなたの目標に協力するよ」と言ってくれているから、私も「起業してみよう」と思えるようになりました。
パート社員や正社員などの雇用形態に関わらず、とにかく「頑張って働くこと」というのは、生き方の幅が広がる土台作りになるのではないでしょうか。
シングルマザーが働くにはまだまだ厳しい世の中ですが、みなさんがライフスタイルや自分に合った仕事に出会えることを願っています。