離婚歴はもうすぐ10年、年子の男の子2人を育てています。長男が小学生になる頃を機に、3人でアパートを借りて生活しています。趣味は読書や食べ歩きで子供達と色々なお店に行き食べ歩いています。
実は私、離婚当初から正社員であったわけではありませんでした。でも日々の生活を送っていくなかで、「正社員として安定した環境で働きたい」と思っていました。私の体験談を読んで、少しでもあなたが踏み出すきっかけになれば嬉しいです。順を追ってお話しさせていただきます。
私が離婚をした時、子供達はまだ3歳と1歳というとても手のかかる時期でした。離婚条件は慰謝料なし、養育費は月5万円との口頭約束のみでしたが、養育費が支払われたのは最初の何回かで、すぐに滞りました。また、離婚に伴い引っ越しをしたので、子供達は保育園を変わることになりました。新しい保育園が決まるまでの半年間は実家のサポートがあったので、離婚前からしていた接客のパートをなんとか続けることができました。
離婚前の勤務時間は8時~17時もしくは9時~18時でしたが、離婚後は通勤の都合で9時~17時という勤務時間になりました。このため、勤務時間の減少と業務役割の変更により収入も少なくなってしまいました。シングルマザーになり、自分の働き方を見つめ直した時に「このままではいけない」と思うようになり、まずは実家の近くの系列店に異動をさせてもらうよう願い出て、家の近くで9時~18時で働けるようになりました。ここから働きながらの転職活動が始まったのです。
無事、勤務時間をのばして働くことができた私ですが、パート社員という働き方に不安は残っていたため転職活動も同時に進めていきました。
私が行った転職活動の流れは、①自宅でネット・求人情報誌を閲覧、②希望に合う求人を見つけたら応募・問い合わせ、③ハローワークに相談が主でした。パート社員だったので、時間に融通があり勤務終了後や勤務開始前にハローワークに赴き、紹介状をもらって面接に行ったりもしました。また、転職活動で心掛けていたのは主に以下2点です。
・身だしなみ
・想定される質問への準備
スーツや髪型は派手になりすぎないように気を遣いました。パートやアルバイトの面接とは違い、正社員の面接なので相手に与える印象は選考にも大きく影響すると思ったからです。
また、シングルマザーの面接で想定される質問への準備も行いました。実際に何社かの面接を受けて、「シングルマザーということですが、子供さんに何かあった場合どうしますか?」という質問は常にありました。これに対しては、家族のサポートを受けられる旨を答えました。
ただし、どんなに対策をしていても、シングルマザーというだけで書類選考すら通らなかったり、最終選考まで残ったのに最後に「シングルマザーだから」と言われて落とされる経験をしたこともあり、とても悔しい思いをしました。
また、面接官からの質問で「彼氏はいますか?」「結婚・妊娠する予定はありますか?」等の質問をされることも多く、その度に「これは答えなくてはいけないのか?」と疑問に思うこともありました。
その後、私は正社員の事務職として採用されました。
無事正社員になってからというもの、当初は覚えることが多く時間に追われる日々でした。パソコンは独学で覚えていましたが、先輩や上司に習い少しずつできることが増えていきました。また、仕事を任されることによって責任感も生まれ段々と楽しくなっている自分がいました。
子供と過ごす時間は、確かにパート社員の時に比べると少なくなってしまっています。しかし、より時間を大切にし楽しい時を過ごしたり、連休に子供達と旅行に行ったりしています。それができるのも正社員でまとまったお休みを取れることや、金銭的に圧迫されていないからこそだと感じています。
パート社員と正社員の両方を経験した私が味わった、それぞれのメリット・デメリットについてお伝えします。これはあくまでも私の場合ですが、同じように働き方に悩んでいる方に参考にしていただけると嬉しいです。
・学生時からしていたアルバイトである程度の勝手がわかり慣れていること
私は学生の頃からアルバイトで接客業に携わってきました。人と関わる仕事が好きで飲食業を選んでいましたが、お客様の笑顔や「ありがとう」の言葉などで達成感がわかりやすく、充実感を得られると思っています。その為、出産後も販売業やサービス業に関わることが多かったです。
・シフト制のため、休みが取りやすいこと
パートやアルバイトスタッフには、私と同じようにシングルマザーの方がいたり、学生さんなどもいました。それぞれが予定に合わせてシフトを出すことができたので、お互いに考慮しあい、気兼ねなく休みの申請を出すことができました。
・ライフスタイルに合わせて勤務時間を調整できる
婚姻期間中は夫の扶養の範囲内で仕事をしていたため、必然的に収入を抑える必要がありました。そして離婚後は収入を増やすために勤務時間を増やすことができました。
・不安定な収入
パート社員の一番の不安は収入です。時給制という働き方で二人の子供を育てていくことにとても不安を感じていました。実際、子供が大きくなるに連れて増えていく食費や衣料費。大人であれば自分さえ我慢すれば良いのですが、子供の成長は待ったなしです。どんなに節約して安いものを購入しても次から次へと必要なものが出てきます。いつも「これだけは!」という必要最低限のものを取捨選択していました。
・年齢を重ねることへの不安
業種や仕事内容にもよると思いますが、パート社員を続けていくにあたって、「このまま定年まで働けるのだろうか?」という不安がありました。というのも、接客業(特に飲食業)には体力勝負!という認識があったからです。どうしても機敏な動きや力仕事が多くなってくるのが接客業やサービス業。年齢制限はないと言いつつもどうしても若い力が重要視され、次第に需要がなくなってしまいます。そこから「じゃあ正社員に転職しよう」と思い立った時には既に年齢で応募できるものも少なくなっているかもしれません。私自身も正社員への転職はできるだけ早くと思って行っていました。
次に正社員の場合のメリット・デメリットを考えてみました。
・なんといっても収入アップ
パート社員と正社員が大きく違うのは収入面。パート社員ですと時給制や日給制が多く安定しないのですが、正社員は月給制が基本なので月々の安定した収入が見込めます。それと同時に福利厚生なども充実し、有休や家族手当などの支給もありました。保険は、社会保険の加入などにより厚生年金になり、老後の心配も軽減されたように感じました。収入が安定すると心も落ち着き、先々の不安に駆られることも少なくなりました。
・土日祝の休みがある
小さい子供を育てているシングルマザーが必ず直面するのは休み問題です。保育園だと土曜日は預けられますが、日祝はどこもお休みのため、子供の預け先がありませんでした。パート社員の時は、お盆休みや年末年始も繁忙期のためお休みは取れず、実家に預けっぱなしになることもしばしば。正社員になってからは、会社自体がお休みですので家族で過ごすことが可能になりました。子供の為に働いているのに、子供と一緒に居られないジレンマから解放されたのを覚えています。
・拘束時間が長い
収入が増える分、やはり増えてしまうのが一日の拘束時間です。8時間勤務が普通のため、子供が小さいと急な発熱や行事などに瞬時に対応ができません。私も会社から最初は寛大な対応をしていただいていましたが、子供達のかかるインフルエンザなどの出席停止の病気に悩まされました。有給はありますが、大体が子供に関することで消化されてしまいました。
・責任が重く感じるときがある
パート社員の責任が軽いというわけでは決してありませんが、正社員は責任がより重いと感じました。福利厚生や給料面などで会社に生活を守られている分、会社に貢献しなくては!と思ったのを覚えています。その為、自分に合わないと感じたときに転職活動が行いにくいことがありました。
離婚してもうすぐ10年になる私がパート社員から正社員になった体験談をお伝えしましたが、いかがでしたか?長男は4月から中高一貫校の中学一年生になり、次男も続いて中学に上がる準備に取り掛かります。本人達の受験したいという要望に応えてあげられる経済力も、やはり正社員だからできたことだと思っています。これはあくまでも私の体験談ですが、「シングルマザーだから諦める」という選択を子供達にしてほしくないという思いでここまでくることができました。
今は目の前の生活にいっぱいいっぱいでも、これから先の人生にはたくさんの可能性が残されていることを胸に、みなさんも楽しい日々を送れることを願っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。