シングルマザー歴4年目になります。子供が5歳と2歳の時に離婚しました。現在、webライターと飲食店のパートを掛け持ちして生計を立てています。「子供の心から目を離さない」をモットーに、仕事と子育ての両立を心得ています。n
今回のテーマはシングルマザーと貧困。シングルマザーと聞くと、ただ漠然と「大変そう」というイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。確かに、仕事と子育てを両立しながら一人で生計を立てるのは難しく、常に貧困と隣り合わせの生活をすることになる場合もあるでしょう。
しかし、近年ではシングルマザーが完全な貧困状態に陥らないように、自治体による手当や支援制度が整っています。元専業主婦の私も、シングルマザーになってから決して裕福ではない中で、有難いことに一定の生活水準を保って暮らすことができています。そこで今回は、私が実際に経験した経済的に辛かったことや、貧困生活でも嬉しかったことについて、また、離婚後、貧困に陥らないために準備したことや利用した支援・手当についても合わせてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
シングルマザーとしての生活をする上で貧困にならないようにするために、私は離婚前からある準備をしていました。
1.手当や支援について調べた
離婚することを決意してから、まず最初に自治体による母子家庭の手当や支援について調べました。離婚前、専業主婦だった私は、当然のことながら収入がありませんでした。知識としては、各自治体によって母子家庭のための手当や支援があることは分かっていたので、自分の住む地域の公式ページを検索して、手当の内容について調べました。また、分かっている限りの支出を計算して、離婚後の生活パターンを何度も何度もシミュレーションしていました。
2.保育園の確保
次に私が準備をしたのは、子供の保育園の確保です。離婚当時、上の子は5歳で近所の幼稚園に通い、下の子は2歳で家庭保育でした。シングルマザーの生活に仕事は欠かせません。しかし、離婚当時のその環境では、到底仕事ができる状態ではありませんでした。そのため、私が仕事をしている間の子供の預け先として保育園への入園は必須でした。
もちろん、待機児童の問題があるので、保育園の確保は簡単ではありませんでした。上の子は5歳だったため、幸い空きがあったのですが、2歳の下の子の保育園探しは難航しました。結局、認可保育園は空きがなく入れず、入れるようになるまでの間、認証保育園に通わせていました。認証保育園は民間のため保育料が高く、仕事復帰後の初めての給料のほとんどがそのまま保育料になりました。
3.離婚前に就職した
5年間専業主婦だった私は、正式に離婚する前から仕事を始めました。仕事を始める頃、上の子はまだ保育園に転園する前で幼稚園に通っていたため、延長保育をやっている曜日が限られていたことと、いきなり生活が変わることに子供が動揺してしまうだろうと想定し、私も子供も少しずつ慣らしていけるようにと思い、パート社員として働き始めることにしました。
私は、離婚する前に、シングルマザーが受けられる支援や手当について下調べをしていましたが、元専業主婦の私にとっては、各々の支援や手当がなければ、経済的な問題から離婚を決断することも容易ではなかったと思います。実際にシングルマザーとしての生活が始まってからも、支援や手当一つ一つの有難みを痛感しています。
離婚後、特に助かった支援・手当についてまとめました。
1.児童扶養手当
児童扶養手当とは、ひとり親家庭の児童のために、国から支給される手当のことです。子供の人数や世帯収入によって支給される金額が変わりますが、離婚したシングルマザーにとっては本当に心強い手当です。
2.児童育成手当
児童育成手当は、児童扶養手当と同様に、ひとり親家庭の児童のために支給される手当のことを言い、こちらは地方自治体による制度です。そのため、住んでいる地域によっては実施していない可能性もあるので、確認してみてください。
3.認可保育園では保育料が無料に
認可保育園では、入園及び保育料などの管轄は全て地区町村になります。そのため、保育料は世帯ごとの収入によって決められるのと同時に、母子家庭には更に保育料減免の制度がある地域もあります。私の住んでいる地域では、有難いことに母子家庭を対象とした保育料減免という支援を受けることができるため、子供2人共に認可保育園の保育料は無料でした。
4.都営住宅では母子家庭を対象に家賃が減額される
私は離婚する前から住んでいた都営住宅に、名義人変更の手続きをして、子供2人と共に3人で暮らしています。都営住宅では、母子家庭を対象に家賃が減額されます。どの程度減額されるかは、毎年1年間の年収によって決定されます。
元専業主婦の私が、実際にシングルマザーの生活が始まってから経済的に辛かったことをご紹介します。
1.1ヵ月の給料の半分が保育料に
正式に離婚する前から、認可保育園への申し込みをしていたものの、当時2歳だった下の子のほうは、約1年間入ることができませんでした。その間、認証保育園に通わせていたのですが、月収の半分を保育料に充てている状態でした。手当や養育費を受給していることで、何とか生活はできるものの、シングルマザーとして子供を養っていくことのもどかしさを痛感した1年間でした。
2.おもちゃやお菓子を買ってあげられなかった時
シングルマザーとしての生活が始まってからは、毎月毎月をどう生活していくかという、まさに「今」を懸命に過ごしている状態でした。そんな生活の中では、時に経済的に厳しく、子供に我慢をさせることもありました。一緒に買い物に出掛けても、子供が好きなおもちゃやお菓子を買ってあげられず、がっかりした表情の子供を見る度、情けない気持ちになりました。
シングルマザーで経済的に苦しい生活は、確かに大変です。しかし、そんな貧困生活の中でも、嬉しかったことや感動することもありました。私が感じた、経済的に苦しくても嬉しかったことは次のとおりです。
1.子供がごはんをおいしそうに食べる姿を見て安心
我が家は裕福とは程遠い生活です。食事も決して豪華とは言えません。しかし、それでも、子供がごはんを夢中になっておいしそうに食べる姿を見ると、その無邪気さに救われ、母親として嬉しくて幸せな気持ちになります。質素な食生活でも心は満たされるものなんだと、そんな大切なことを子供から教えてもらったように思います。
2.子供の心が豊かに育ってくれていると実感する時
シングルマザーとしての生活が始まってから、何かと子供に我慢をさせてしまい、心苦しく思う場面もありました。しかし、離婚してから3年の月日が流れ、子供の心身の成長を実感できる瞬間があります。学校や保育園、公共の場などで最低限必要な我慢する力がしっかり身についていること。お金を決して粗末にせず、その大切さを子供なりに理解できていること。これらは、経済的に苦しい環境だったからこそ、子供の成長を後押しされたのだと思います。
決してお金では買うことのできない心の豊かさを養ってこられたことで、どんなに経済的に苦しくても、これまでの全ての環境に感謝すると共に、子供が逞しく成長してくれることに感慨深い思いで一杯になります。
「シングルマザーと貧困」についてご紹介しましたが、皆さんいかがでしたか?質素な暮らしの中にも、喜びや小さな感動があり、心豊かになれる要素は身近なところに転がっているものです。シングルマザーだからということは関係なく、社会では様々な背景により、昔も今も収入の格差はあります。
世間一般的に低収入であっても、まずはその中で一定の生活水準が保たれた暮らしができるかどうかが、貧困からの脱出となります。裕福か貧困かではなく、自分に与えられた環境の中でどう暮らしていくかを考えることが大切です。