シングルマザー歴4年目。子供が5歳と2歳の時に話し合いの末、円満離婚しました。離婚する際、「負の感情は置いていこう」と決意し、元夫とは親として協力し合っています。
離婚協議をする際、絶対に決めておくべきなのが養育費についてです。子供の人数や年収などによって額の差は生じますが、どんな額であれ、養育費を支払うことは親としての責任であり、それは子供に対する愛情の印でもあります。離婚後、母子家庭の生活が始まるシングルマザーにとって、何より子供の心身の成長を支える大事な問題ですから、しっかり話し合うことが大切です。
シングルマザー歴4年目の私は、子供が5歳と2歳の時に離婚しましたが、今でもしっかり養育費を支払ってもらっています。そこで、私の体験談も交えながら、養育費の取決めを行う際の重要ポイントについてまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。
養育費は、何より子供を健全に養っていくための大事なお金。離婚協議をする際は徹底的に話し合うことをおすすめします。では、どのようなことに気を付ければ、養育費について揉めずに取決めができるのでしょうか。
養育費の取決めの際に、一番重要になるのが話し合いの仕方です。養育費で大事なことは、支払いを続けてもらうこと。そのことを念頭に置いて、以下のことに気を付けながら話し合いを進めましょう。
1.子供に対する親としての意思確認
まず話し合いをする上で大切なのが、親としての子供に対する意思確認をすること。離婚はあくまで夫婦の問題で、離婚しても子供の親であることは変わりません。それは、たとえ親権者じゃなくても同様です。離婚した後、親として子供とどう関わっていきたいか、双方の考えや意思を徹底的に話し合いましょう。
私のケースでは、まず離婚後の親子の関係性について話し合いました。元夫は、当初は面会日などは私を通さないといけないとイメージしていたようですが、私は父子の関係性を取り締まるつもりはなく、むしろ子供が大きくなったら自由に連絡を取り合えるような環境にしてあげたいと思っていたので、「あなたの気持ちさえあるのであれば、父子関係は子供とあなたに任せる」ことを伝えました。これにより、元夫の父親としての意思が尊重されるカタチとなり、離婚後の元夫の父親としての覚悟や責任感を増長させることに繋がったように思います。
2.相手にも生活があることを配慮する
養育費の額を取決める際に注意しなければならないのが、相手にも生活があるということ。親の収入によって、家庭の生活水準が異なるのは当然です。相手の仕事や収入に対して、今更文句を言うのはお門違い。親の気持ち=金額の高さではありません。無理難題な額を要求してしまうと、支払い続けることが困難になってしまいます。養育費を受け取る側として、相手にも生活があって、その中から子供のための養育費を支払うということを、最低限配慮する気持ちが大切です。
話し合いの仕方の注意ポイントを抑えたところで、次はいよいよ養育費の取決めです。養育費の取決めを行う際は、以下の要点ごとに協議しましょう。
1.養育費の額
養育費の額は、支払う側の収入状況や親権者の収入状況、子供の年齢や人数を判断基準として算出します。裁判所で取決めが行われる際の考え方として、父親と母親の裕福な方と同居した場合の生活水準が、裕福でない方と同居することになった子供にも与えられるべきとされ、養育費の額を計算するという方法が一般的です。
2.支払日と支払い方法
養育費の額が決定したら、支払日とその方法についても取決めましょう。一般的には、相手の給料日かその数日後を支払日とする場合が多いです。手渡しだと、支払ったかどうかの証拠が残らず、万が一支払いが止まってしまった時に問題となります。後のトラブルを避けるためにも銀行振り込みで支払ってもらうのがおすすめです。
3.支払い期間
支払期間とは、子供が何歳まで養育費の支払いを要するかということ。一般的には、子供が高校を卒業して社会人となる18歳を終える最後の月までを目安に取り決めます。ただし、大学や専門学校へ進学することも想定した上で取り決めなければなりません。
4.特別な出費に関して
特別な出費とは、主に入学・進学・病院入院などで発生するイレギュラーなお金のことを意味します。このように、子供を養っていく中でイレギュラーで発生する必要なお金に関しては、毎月の支払いとは別で協議することが必要です。特別な出費を要する時は、普段以上に家計が厳しくなることが予想されます。子供と同居していた場合に負担するであろう出費は、養育費に含まれます。これらを考慮した上で、子供に関する特別な出費に関しては、同時に一緒に負担していくことを約束してもらいましょう。
公正証書とは、法律の専門家である公証人が法律にしたがって作成する公文書です。離婚後、お互いの健全で豊かな生活を保つために必要なのが離婚協議書。この離婚協議書を公正証書にすることで法的な効力を持たせることが可能になります。せっかく円満に話し合っても、どちらかがその約束を破って養育費が支払われなくなってしまえば、子供にも影響を及ぼします。その万が一の時のためにも、公正証書として備えておくことが大切です。
離婚協議書、公正証書の作成には専門的な知識や様式が必要になります。また、公正証書は手数料が発生するため、その手数料も含めて双方で話し合い、公正証書の必要性をお互いに納得し合うことがポイントになります。
それまで支払われていた養育費が突然なくなったら動揺してしまいますよね。そこで、万が一支払われなくなった時の対処法をご紹介します。
1.まずは自ら連絡を取って確認
まずは、電話やメール・手紙通知でも良いので、自ら直接支払われていないことを確認してみましょう。相手に支払う意思があるのかないのかを確認することは、相手の親としての意思を確かめることにも繋がります。また、相手に何か不幸や事情があって、支払いが困難な状況になってしまったことも考えられます。子供にとっては大事な父親ですから、支払う意思があるのかないのか、支払う意思はあるけど支払いができないのか、その状況を的確に知る必要があるでしょう。
2.内容証明郵便を使う
もし、音信不通になってしまった場合は、内容証明郵便を使って支払いを要求することができます。内容証明郵便とは、郵便発送の日付や 誰が誰宛てに、どのような内容の手紙を送ったかを、郵便局が証明してくれる手紙です。書留郵便で配達され、文末に郵便局長が内容証明郵便として差し出されたものであることを証明する記載が入るため、相手にインパクトやプレッシャーを与えるのに効果的です。
3.家庭裁判所に申し立て
もし、養育費支払い調停の調停調書や養育費の支払いに関する裁判の勝訴判決を獲得している場合は、家庭裁判所に申し立てをして、裁判所から通知をしてもらうことができます。裁判所から勧告や命令をしてもらうことで、支払いから逃れようとする相手に対して圧力をかけることができます。
4.それでもダメなら強制執行で財産差し押さえ
家庭裁判所による勧告や命令でも養育費を支払わない場合は、相手方の財産や給料を差し押さえる強制執行という方法があります。
給料差し押さえの際は、相手の会社に通知がいくことになるので、その時点で素直に応じるケースが多いです。
上の表は、母子世帯、父子世帯の養育費の受給率を表しています。取決率とは、離婚の際に養育費に関する取決めを行なっている世帯の割合です。表を見て分かるのは、取決めは42.9%と半数近くの世帯がしているのに対して、実際に養育費を受け取っている世帯は24.3%と3割にも満たないということです。
シングルマザーにとっての養育費は、元夫の父親としての自覚や責任の覚悟を示される手段でもありますから、真っ当な理由もなしに養育費を支払わないということは、父親としての意思を破棄したと受け止めます。自らその気がない人に対して裁判所の申し立てや差し押さえをしてまで、子供に養育費を支払ってもらうということに虚しさを感じる方も多いのではないでしょうか。
養育費額は、養育される子供の人数や年齢、さらに、支払う側と受け取る側の年収によって、金額が異なります。また、支払う側の労働形態(サラリーマンか自営業か)によっても、その金額は変わってきます。例えば、支払う側がサラリーマンで年収が300万円以上、受け取る側が年収200万円の場合、子供1人だと2~4万円、子供2人だと4~6万円ほどになります。ただし、これはあくまでも一般的な相場であり、養育費の額に決まりはありません。話し合いで両者が納得すれば、それ以上もそれ以下も可能になります。
参考:養育費・婚姻費用算定表
お金が全てではないとはいえ、我が子のためにもらえるものはもらいたいというのが親心。養育費はその親心の1つです。もし、相手が養育費を支払うなど父親としての意思を持っているのであれば、その気持ちを十二分に理解し、面会を自由にさせてあげるなど相手の意思を尊重してあげることで、相手の養育費を支払い続けるモチベーションにも繋がります。
話し合いをしながら、養育費も含めてお互いに親としてできることをするという意思確認と、その意思が持続していける環境づくりを配慮することも大切なのではないでしょうか。