18歳で未婚出産したシングルマザー。私&娘の半分は、家族と友人達のありがた~いサポートによってできています。
今回はシングルマザー歴17年の私が、「シングルマザーのメリットとデメリット」と「シングルマザーが利用できる手当と減免制度」についてまとめました。悩みばかりが注目されやすいシングルマザーですが、実際は良いことも同じくらいあります。まずは私がどのようにシングルマザーになったのかお伝えしながら、メリットをご紹介いたします。
妊娠していることに気付いたのは17歳の夏でした。子供の父親とはDVと借金が原因ですでに別れていたのですが、連絡を取れる状態ではありました。しかし、母親が暴力をふるわれている姿を子供が見たらどんな気持ちだろう。そのうち子供にも手を出すようになったらどうしよう。そう思うと、復縁して親子3人で暮らすという道はどうしても選べませんでした。
私がシングルマザーの道を選択するということは、同時に子供から父親を奪うことになります。例えどんな父親であっても、子供にとってこの世にたった一人の父親。私一人の判断で決断していいものか悩みました。悩みに悩んで、いつもたどり着くのは子供にはどんな父親であっても必要なのかという疑問でした。
私が幼い頃、気性が荒かった父は母をことあるごとに罵り、時には暴力をふるっていました。それは朝仕事に出かけるまでの僅かな時間、夕飯時、家族でテレビを見ている時などです。気に食わないことがあれば子供の前でも怒鳴り散らしました。そのたび私と姉は逃げるように子供部屋へ行き、父の怒号が静まるのを待っていました。精神的に追い詰められた母は日に日に笑わなくなり、ついには顔の右半分に麻痺を起こして病院に通うようになりました。
それから間もなく、母は父と離婚してシングルマザーになりました。母はまだ麻痺が残る顔で精一杯の笑顔をつくって「お母さん頑張るから楽しく生きていこうね」と言いました。今日から父に怒られなくてすむ、母が殴られなくてすむ、みんなで笑って過ごせる、だからこれで良かったと思いました。この記憶に背中を押され、私は未婚のシングルマザーとして生きていくことを決めました。
シングルマザーになると決めてから、とにかく子供と楽しく生きるんだと意気込んでいました。そのためには何をすべきだろうと悩み、3つの決心をしました。
きっとこの先しんどいと思ったり、悩みを抱えたりするだろうけど、それでもシングルマザーになったことを絶対に後悔しないと心に誓いました。
母親にはいつでも笑っていてほしいと子供の頃ずっと思っていました。私自身も母親が笑っていると安心できたので、子供を不安にさせない笑いに溢れた日々を送ろうと決めました。
同じ10代の友人たちが大学へ通ったり、アルバイトしたりする中、私は未婚で子供を出産する。シングルマザーは誰もが選ぶ道ではないかもしれないけれど、それも1つの生き方として誇りを持ちたいと思いました。
シングルマザーはデメリットが多い印象ですが、そんなことはありません。実際にシングルマザーになってみて、私はこのようなメリットを得られました。
私たち親子は母と義父と同居しています。母と義父は私が中学生の頃に再婚したのですが、父として受け入れるには少し難しい年頃でした。しかし、子供が生まれた時に大喜びしたり、嬉しそうに抱っこしたり、そんな義父の姿を見て、この人は私の家族だと思えるようになりました。
例えば夕飯のおかずや、休日どこへ行くかなど、子供より夫の意見を優先することが夫婦の場合あると思います。シングルマザーはパートナーがいないので、思う存分子供の意見を尊重することができます。「パパに聞いてみないとね」「パパがダメって言ったら仕方ないね」と、お伺いを立てる必要がありません。
夫婦にとって些細なケンカだとしても、見ている子供は不安になったりストレスを受けたりします。争うことなく平和に過ごせるという点は、シングルマザー最大のメリットだと思っています。
シングルマザーはパートナーの食事や洗濯の世話をする必要がないのでとても気楽です。また、出掛ける際に「どこへ行くんだ?」と聞かれたり、帰りが遅くなった時に「どこへ行ってたんだ!」と怒られることもありません。干渉されない生活は自由で快適です。
シングルマザーになって感じたデメリットは以下の2つです。
・父親不在で子供に寂しい思いをさせてしまう
・どんなに頑張っても父親の代わりは果たせない
この2つはどうやっても避けられないデメリットです。家計が苦しい、恋愛がしにくいなどもデメリットとしてよく挙げられていますが、これは人それぞれだと思います。私の場合は両親と同居しているので、余裕はないですが家計の苦しさはギリギリ回避できています。恋愛に関しては子供が成人してからご縁があればといった感じで、今はとくに重要視していません。
子供がいる家庭を対象に、国から支給してもらえる手当がいくつかあります。
子供がいる全ての家庭を対象に国から支給してもらえる手当です。
支給の対象者
国内に住所がある0歳~15歳(中学校卒業の年末度まで)の児童
支給金額
0歳~3歳未満の児童:15000円
3歳~12歳(小学校修了前)の児童:10000円(第三子以降15000円)
中学生:10000円
※所得制限を超える場合は一律5000円
年3回支給
毎年6月、10月、2月に指定口座へ振り込まれます。
母子家庭と父子家庭を対象に国から支給してもらえる手当です。未婚、離婚、死別など、ひとり親家庭になった理由は問われません。
支給の対象者
母子家庭と父子家庭の0歳~18歳(到達後最初の3月31日まで)の児童
支給金額
扶養人数や所得によって、「全部支給」「一部支給」「不支給」の3区分に分けられ、支給される金額がそれぞれ異なります。
<全額支給(平成31年4月以降)>
児童一人:42910円
児童二人:一人目の児童の支給額に10140円加算される
三人以降:一人目と二人目の児童の支給額に1人増えるごとに6080円加算される
<一部支給>
児童一人:42900円~10120円
児童二人:一人目の児童の支給額に10130円~5070円加算される
三人以降:一人目と二人目の児童の支給額に1人増えるごとに6070円~3040円加算される
年3回支給から年6回支給に変わる
2019年は4月、8月、11月に指定口座へ振り込まれます。2020年以降は、1月、3月、5月、7月、9月、11月の年6回になり、2ヵ月分(支払月の前月分と前々月分)が支給されます。
児童育成手当は主に東京都で実施されている制度で、母子家庭と父子家庭の児童、および障害のある0歳~18歳(到達後最初の3月31日まで)の児童を対象に支給される手当です。支給額は児童一人につき13500円(障害児童の場合は15500円)で、年3回に分けて支給されます。お住まいの自治体によって申請の仕方や内容が異なる場合があるので、電話やホームページでご確認ください。
児童手当、児童扶養手当、児童育成手当の他にも、シングルマザーが利用できる手当を以下にまとめました。詳しい内容はお住まいの市区町村役所でご確認ください。
・住宅手当
・医療費助成制度
・こども医療費助成
・特別児童扶養手当
・障害児福祉手当
・生活保護
・遺族年金
シングルマザーは手当の他に、減免や割引制度を利用することができます。最大限に利用して、日々の出費を抑えていきましょう。
ひとり親家庭を対象に、所得税や住民税の負担を軽減してくれる制度です。ただし、未婚のシングルマザーは対象外になります。
前年度より所得が大きく減ったり、病気や災害で生活が困難になったり、一時的に支払いができなくなった場合に減免できる制度です。
ひとり親家庭などで低所得の世帯は、保育料が免除されたり減額になる場合があります。
市区町村によって免除してもらえる制度です。詳細はお住まいの市区町村役所にてご確認ください。
母子家庭に対して運賃が免除、あるいは無料になる割引制度です。自治体によって利用条件が異なるため、詳しい内容はお住まいの市区町村役所でご確認ください。
シングルマザーは悩みばかりではなく、メリットもたくさんあると思っていただけたでしょうか?子供の頃からずっと望んでいた争いのない日々を、子供と過ごせてとても幸せです。シングルマザーに関する悩みを抱えている方は、ぜひ一度メリットに注目してみてください。そして、ひとり親家庭のサポート制度をフル活用して、お子さんと楽しく、快適な生活を送ってください。応援しています。