子供が0歳のときに離婚し、地元へ戻る。子育てに協力的な両親が近くにいることに感謝しながらも、教育方針への違いなどからストレスが溜まることも。。。子供が中学生になるまでにはマイホームを持ちたいと、節約に励む。
私は子供が0歳の時に離婚し、幼い子供を連れて実家に戻りました。当時はまだ子供が小さく、私も育休中で十分な収入がなかったことから選択した実家暮らし。「いつかは子供と2人で暮らしたい」と思いながらズルズルと今の生活を続けた結果、実家暮らしを抜け出すタイミングを見失ってしまいました。
そんな私の経験から、シングルマザーが実家で暮らすことのメリット・デメリットなどをお伝えします。
私が元夫と結婚したのは私が30歳の時、5年間の交際を実らせてのゴールインでした。その後、可愛い娘も生まれ、順風満帆な生活を送っていたはずだったのに…。突如、結婚生活の終わりを迎えます。
原因は元夫の浮気でした。どうやら浮気相手は職場の後輩。私の妊娠が発覚した頃からの付き合いだったようです。元夫からは、「養育費は払う。お前が望む通りの条件で良いから、離婚してくれ」と一方的に別れを告げられます。当時の私は産後うつのような精神状態だったため、離婚を争う気力もなく、すんなりと離婚届に判を押しました。
「さて、これから0歳の子供とどうやって生きていけば良いのか…」と途方にくれた私は、とりあえず実家に戻ります。育児疲れと元夫の浮気で憔悴しきった私を両親は快く迎え入れてくれましたが、腫れ物に触るように扱われていた自分が情けなく、「30歳にもなって、両親の世話になるなんて…」と自分を責めていました。
当時、私を苦しめていたもうひとつの要因は世間の声です。
シングルマザーになったことをきっかけに、ネットなどでシングルマザーの情報を探すようになったのですが、私の目に飛び込んできたのは、どれも心を傷つける内容でした。
「実家で暮らしているシングルマザーは自立できていない」
「誰かの援助を受けなければならないなら、そもそも離婚するな」
これらの心無い言葉により、私はますます「離婚した自分」「実家に戻った自分」の存在を認められないようになっていきました。
実家で暮らしているとメリット・デメリットの両面を味わいます。それは、両親との関係性、ママの性格、両親の性格、子供の年齢などによってもさまざまです。ここでは実際に私が4年間の実家暮らしを経て感じたメリットをお伝えします。
◯家事も育児も負担軽減
家事や育児に協力的な両親である場合、あらゆる部分でママにかかる負担は軽減されます。
私の場合、両親がまだ現役で仕事をしているため、何もかも頼るわけにはいきませんが、どうしても保育園のお迎えに行けない時、体調不良で私が寝込んでしまった時、友人の結婚式に参加したい時などは両親に頼んで子供を見てもらっています。
これは頼れる両親がいるからこそできること。家事にも育児にも非協力的だった元夫と一緒に暮らしていた時よりも精神的・身体的な負担は減ったと感じています。
◯経済的負担の少なさから得られる、将来の蓄え
収入が低いシングルマザーはできるだけ毎月出ていく固定費は抑えたいもの。実家暮らしであれば、家賃や光熱費などは両親と折半して支払うことになるので、出ていくお金が少なくなります。
私の場合、実家に入れるお金は月5万円で済んでいるので、毎月に貯金できる額も結構あります。この蓄えは、これからかかるであろう子供の教育費や自分の老後のために使いたいと思っています。
◯子供の成長への影響
離婚した当初は「父親がいなくなって、子供は寂しくないだろうか?」と心配していましたが、実家暮らしをしていると寂しさはほとんど感じられません。私だけでなく祖父母も含めた大人に囲まれて育つ娘は、みんなからたくさんの愛情を受けて育っており、とても社交的な性格の子供になりました。子供に愛情を注いであげられるのは母親や父親だけではないと感じた経験です。
メリットを感じることが多いシングルマザーの実家暮らしですが、デメリットがないわけではありません。
◯制限される行動
現在、実家の一室を私と娘の部屋として使用していますが、それ以外はリビングやキッチンなどの共用スペースしかなく、ひとり落ち着ける場所はありません。
また、休日でも常に両親がいるため、出かける時には、どこに行くのか・何時に戻るのかを報告しています。「30代にもなって、親に行動を把握されている」という状況は時々、窮屈に感じることがあります。
◯両親の育児への介入
一番私を悩ませているのが、両親の育児への介入です。
私の両親は非常に教育熱心なほうなので、子供の教育に関してもたくさんアドバイスをくれます。いろんな視点での意見を取り入れることは大切だと思いますが、母親である私の意見を聞かずに勝手に話を進めてしまうところがあるのです。
また、私自身も「お世話になっている身であまり文句は言わないほうが良い」と意見を言い出しにくい状況になってしまっています。
実家暮らしを4年間ぬくぬくと続けた結果、実家を出るタイミングを見失ってしまった私ですが、子供が中学生くらいになったら子供と2人の生活をしたいと考えています。それは、現在住んでいる家で私たちが使用できるのは6畳の部屋しかないことと、いつまでも両親のお世話になるわけにはいかないという気持ちがあるからです。
今は6畳の部屋に衣類タンスや机、おもちゃなどを置いて、寝る時には空いているスペースにセミダブルの布団を敷いています。現在は子供が4歳なので、布団1枚で私と娘が寝ることができていますが、子供がある程度大きくなれば狭さを感じてしまうでしょう。
また、今は働いている両親もあと数年すれば定年退職し、老後の自分たちの生活が始まります。もしかしたら私が実家に戻ってくるまでは、老後のライフプランを考えていたかもしれません。その楽しみを奪うことはしたくないため、いつかは実家を出ていかなければいけないと考えています。
そのために、現在、子供の教育費とは別に貯金をしており、子供が中学生になるくらいには母子2人の新しい生活をスタートさせたいな、と計画中です。
「実家で暮らしているシングルマザーは自立できていない」「誰かの援助を受けなければならないなら、そもそも離婚するな」という一部の世間の声をご紹介しましたが、実際に離婚をして、実家で暮らしてみて感じたことがあります。
シングルマザーの実家暮らしって、何が悪いの?
もちろん、働けるのに働かずに生活費の全ても両親に頼っているような状況であれば「甘え」と言われても仕方がない気がしますが、そうでなければ基本的にシングルマザーの実家暮らしって、あらゆる面で良い影響を与えていると思います。
◯母親の頼る力UP
私は小さい頃から「しっかりしているね」と言われていた子供でした。そのせいもあってか、人に頼ることがあまり上手くなく、何でも自分でやろうとしてしまう完璧主義な一面がありました。でも、社会人になって、子供ができて、離婚して…を経験すると自分ひとりではどうすることもできないことがたくさん出てきます。そんな時、すべてひとりで解決しようとしてしまうと、必ずどこかで崩壊します。
実家暮らしを始め、サポートしてくれる大人が増えたことで、「困った時は甘えていいんだ」「負担を分けることで私のストレスも減り、その分、笑って過ごすことができる」と思えるようになりました。
◯子供の社会性UP
子供は生活環境の中で接点を持つ周囲との関係からさまざまなことを学びます。
実家暮らしをしていることで、子供は母親である私だけでなく、祖父母とも日々たくさんのコミュニケーションをとります。その他にも、実家には親戚や両親の友人、両親の仕事関係者なども時々出入りするため、子供はたくさんの大人と触れ合いながら育つことができています。
離婚当初は、「父親がいなくて、ひとりっ子で、寂しい思いをさせないか?」と心配していた私ですが、そんな心配は全く必要ありませんでした。
◯両親の活力UP
子供が0歳の時に実家に戻っているので、両親は私と同じように、子供がお座りできるようになった時、初めて歩いた時、言葉をしゃべるようになった時、などの成長を見ています。昔の写真を見返しながら、「懐かしいね」と一緒に言える関係性です。
また、週末になると家族みんなでお出かけをすることも多く、両親は「以前より出かける機会が増えた」と言っています。
今でも「両親の生活のジャマになっていないかな?」と思うことはあるのですが、一方で、私と子供が実家に戻ったことで両親の楽しみが増えたとも感じています。
いかがでしたか。今回は4年間の実家暮らしをしている私の視点で、「シングルマザーの実家暮らし」をテーマにお伝えしました。基本的にはシングルマザーが実家で暮らすことをすすめるのですが、これはシングルマザーであるあなたと両親の関係性が良好であることが大前提です。また、適度な距離感も必要です。
・あなたと両親の間に信頼関係はありますか?
・あなたと両親は心を許して本音で話すことができますか?
・両親は孫であるあなたの子供の言動にイライラしすぎることはありませんか?
・両親は孫の教育において、母親であるあなたの意見を第一に聞くことができますか?
これらの質問にyesで答えることができるなら、シングルマザーの実家暮らしはきっと上手くいくと思います。子供の豊かな成長のためにも、遠慮することなく両親に甘えてみてはいかがですか?