離婚歴12年のシングルマザー。現在は反抗期を迎えた娘に手を焼きつつ、仕事も趣味も恋も楽しんでいます。
正社員として働くようになり収入が安定した5年程前から、我が家では年に1〜2回を目安に泊まりで旅行をしています。私達は日本列島のちょうど真ん中辺りに住んでいますが、これまで南は沖縄、北は北海道まで出かけました。他にも大掛かりな旅行としては瀬戸内の島巡りで現代アート鑑賞、長野県の日本一星空がきれいな村で星空観察などをしてきました。1年の中で2泊3日程度の遠出の旅行を1回、近場で1泊の旅行を1回を目安に計画しています。
行き先は親である私が独断で決めています。娘がまだ小学校低学年の頃は旅行というとテーマパークで楽しむことを目的に遊園地や水族館に連れて行くことが多かったのですが、高学年になるにつれてテーマパークで遊ぶ旅行をやめました。代わりに娘が知らない場所で私が行ってみたいと思っていた場所を旅行先として選んでいます。旅行の目的はリフレッシュのため、思い出を作るため、美味しいものを食べるためなど、それぞれの家庭によって異なると思いますが、私が娘と旅行をする目的は【娘がまだ知らない世界を見せてあげたい】ということです。娘の知識の中にない場所に行ったり新しい経験をさせることで自分の可能性を広げるきっかけにして欲しいと考えていますし、そのために使うお金はシングルマザーだからという理由で惜しみたくないなと思っています。
とはいえ旅行には資金が必要ですし、シングルマザーですから旅行費用にいくらでもお金を出せるわけではありません。我が家の旅行資金は基本的にボーナスから捻出しています。夏と冬の年2回支給されるボーナスの2割程度を年間の旅行資金と考えていて、残った金額は貯金に回しています。毎月の給料の中で旅行用の資金を貯めていくとなると、思いがけない出費などで余裕がない月は貯金ができなくなってしまうため、敢えてボーナスから捻出するようにしています。逆に支出が少なく余裕がある月は余ったお金を貯金に回し、その分を旅行費用の足しにすることもあります。
ボーナスは仕事に対する評価で金額に変動があります。私自身が旅行を楽しみにしているため、少しでもボーナスがアップするようにと仕事も頑張れます。また、旅行をするようになる前は、給料日前に残金があるとつい欲しいものを買ってしまったり、外食をしたりして使い切ってしまうことが多かったのですが、旅行費用の足しにしようと考えるようになってからはそういった無駄遣いも減りました。
娘と一緒に旅行をしようとすると、時期的には夏休みや冬休みなどの長期休暇中になります。我が家は主に夏休みに旅行をすることが多いです。しかし、お盆は帰省ラッシュで交通機関が混み合いますし、宿泊費などが高く設定されているためどうしても費用が嵩みます。そこで我が家ではハイシーズンを避けて出かけるようにしています。幸い私の職場は会社自体に夏季休業期間がなく、夏休みは7月~9月の3ヶ月間で5日間の休暇を好きな時に取れることになっているため、お盆期間を避けて旅行をすることができます。夏休みが始まったばかりの7月下旬や、終わる直前の8月下旬は宿の価格が安く設定されているためその期間を狙って旅行計画を立てるようにしています。費用面だけでなく、混み合う期間は渋滞にはまってしまったり、観光地では待ち時間が長くなるなど子供にも負担がかかりますから、空いている時期を選ぶことで子供連れの旅行が楽しみやすくなります。
娘が小さな頃はホテルや旅館など、施設内で食事ができてゆっくりできることを重視して宿泊先を選んでいました。しかし、娘が大きくなって大人と同じように行動できるようになったため、最近は日が暮れるまで観光に時間を使うことが増えました。代わりに宿泊先で過ごす時間は以前と比べて格段に減りました。ホテルや旅館の食事は豪華で美味しいですし、食事をする場所を探す手間は省けますが値段が高いことが多いです。また、過去にはコース料理付きのプランで予約した旅館で、出てきた料理を娘がほとんど食べられなかった経験があります。ある程度の年齢になると食事は大人と同じものが出てきますが、まだ味覚は子供なのか変わった食材や味付けには抵抗があるようです。箸が進まない娘を見て、高いお金を払ったのに…という経験がありました。そんな苦い経験もあってせっかくの旅行ですから、せめて食事は好きなものを選んで食べれるようにと宿泊先ではなく外で食べるようになりました。その土地の名物料理を娘と一緒に探すことも楽しいですし、地元の食事処ではその土地の人との触れ合いも経験できます。値段もホテルや旅館の食事と比較して安上がりですから一石二鳥です。
宿泊施設というとみなさんはどんな場所を思い浮かべますか?ほとんどの方は最初にホテルや旅館を思い浮かべるのではないかと思います。我が家は娘が中学生になってからホテルや旅館以外にゲストハウスを利用するようになりました。ゲストハウスとはホテルや旅館に比べて安価で簡易的な宿泊施設のことで、トイレやお風呂は共用、個室だけでなく相部屋もあります。海外ではバックパッカーの人が利用する宿泊施設として昔から多かったのですが、最近は日本でもゲストハウスが増えてきています。私と娘は2人とも泊まる場所にあまりこだわりがありません。最初は食事を外で済ませるのなら少しでも安い宿に泊まりたいという気持ちからゲストハウスを利用するようになりました。価格帯は素泊まりで2000円から4000円とホテルや旅館と比べてかなり安価なので宿泊費をぐっと抑えられます。
最近では価格以上にゲストハウスならではの良さを感じています。ゲストハウスには宿泊者が自由に過ごせる共有スペースがあります。先日宿泊したゲストハウスは外国人の宿泊者が多く、共有スペースで外国人に話しかけられた娘は拙い英語で会話をしていました。また、相部屋を利用した時には同室になった女性が旅に慣れた方でいろいろな旅の話を聞くことができました。同性同士の親子でないと相部屋の利用はできませんが、こういった他の人との触れ合いがゲストハウスならではの良さで娘にも新鮮な経験になっているのではないかと思います。
娘が大きくなってからの話がメインになってしまいましたが、シングルマザーの家庭でも旅行を楽しむための我が家なりの工夫は以上になります。費用の工面は苦労もありますが、娘にとって新しい経験作りや親子での思い出作りのために、これからも2人旅を続けていけたらいいなと思っています。