男の子2人の母、2017年に離婚。新米シングルマザーです。離婚を機に子供の教育資金や老後のことを真剣に考えながらも、自由になった生活を楽しみながら新しいことにチャレンジしています。
シングルマザーになった場合、まずどのように家探しをしますか。家賃からでしょうか。
子供のことを考えると、地域性や子供の学校などを考慮して決めることが一般的かもしれません。地域や間取りももちろん大切ですが、実際に住んでみなければ分からないメリット・デメリットがあります。住んでみたらこんなはずではなかったということにならないよう、しっかり考えて決めることをおすすめします。
私は離婚前と離婚後は住んでいる家が違います。離婚調停を申し立てたと同時に引っ越しをしました。
「離婚調停中も元夫と同じ家にいることは精神的にもお互いのためにならない」と法テラスの弁護士さんにアドバイスをもらったこともあり、離婚を切り出すまでに次に住む家のことを考えていたからです。
離婚前は、持ち家の一軒家に住んでいました。
結婚当初はアパートに住んでいたのですが、家賃も高く子供を妊娠したこともあり、共働き世帯であった私達は結婚2年目で家を建てました。4LDK、1階には18帖のリビングダイニング、4.5帖の和室、トイレ、お風呂、脱衣所、バルコニーがありました。2階には、6.5帖の子供部屋が2つ、7.5帖の寝室、トイレがあり、快適に特に不自由なことなく生活をすることができました。毎月の支払いは約7万5000円、ボーナス払いなしでローンを組みました。
シングルマザーとなった今は、賃貸アパートに住んでいます。
最初、私が正社員で働いており安定した収入が見込めることもあり、養育費をもらいながら何とか残りのローンを返済できるのではないかと考えていましたが、子供の将来的なことを考えた結果、賃貸アパートに住むことにしました。
間取りは2LDKで、持ち家の時と比べると小さくなってしまいましたが、どうにか子供部屋は2つ確保できています。
持ち家の一軒家から賃貸アパートに引っ越しをして1年以上が経過した今、賃貸ならではのメリットもデメリットも感じています。
①トラブルに対応できる
引っ越しを繰り返すことを前提にアパートを探す人はいないと思います。しかし、近所に合わない人が住んでいたり、迷惑行為をする人がいた場合、賃貸アパートであれば新たに住まいを探すことができます。無理にその地域に縛られることもなく、また大家さんがいるため、こうしたトラブルの時にも頼りになります。
②修繕費用がかからない
アパートの外装はもちろんですが、お風呂や台所など通常使用している設備が故障した場合、大家さんが修繕費用を負担してくれることが多いです。もちろん乱暴に扱い壊した際の修理費用は自己負担です。
やはりシングルマザーにとってはお金に関することは大切です。
③固定資産税がかからない
持ち家に住んでいた時は、毎年固定資産税を支払っていました。毎年10万円近くの金額を支払うため家計にも大きな負担となっていました。アパートは自分の所有しているものではないため、支払う必要がありません。
①家賃が高い
現在の家賃は1カ月6万円です。この金額には1台分の駐車場代も含まれています。私の年収では決して安い金額と言えません。また、持ち家と異なり、自分の所有するものではないため、いくらお金を支払っても自分の資産にはなりません。
②立ち退きをしなければいけない可能性がある
気に入って住んでいても大家さんの事情で立ち退きをしなければいけないこともあります。
自分の意に反して引っ越しをしなければいけない状況もあることを頭にいれておかなければいけません。
住まいはいろいろな形があります。
住まいの決め方は、収入、子供の人数や性格、職場や学校などを考慮した地域性など、シングルマザーが何を一番優先として考えるかによって違います。では、それぞれの住まいのメリット、デメリットを見ていきましょう。
離婚を機に、実家に戻って生活するシングルマザーも少なくありません。子供がまだ小さく手がかかるため育児の手伝いをしてほしい、または収入面からみても賃貸は厳しいなど育児と収入面を考え、実家暮らしを選びます。私も賃貸に住み始めた頃、生活費が足りず「実家に住めば良かったかな」と思うこともありましたが、見方を変えるとデメリットも見えてきます。
①家賃が安い
賃貸に比べて実家に住んでいると家賃が安いです。また、家賃はいらないよという両親もいらっしゃいます。
家賃は支払わなくても、食費や光熱費を一部負担したりとそれぞれの家庭で金額や内訳を決めることができます。
収入が少ないシングルマザーにとっては、とてもありがたいですね。
②育児を手伝ってもらえる
シングルマザーの中には、転職しこれまでよりも長く働く方もいらっしゃいます。
子供がまだ小さいと、保育園の送り迎えを手伝ってもらえたり、小学校低学年であれば実家に両親がいると学童に行く必要もなく、何より安心感があります。特に1人でお留守番が苦手な子供の場合は、とても心強いですね。
①両親が育児に対して口出しをする
シングルマザーになると、これまで以上に育児に対してしっかりしなくてはと思います。
「離婚したから」、「お父さんがいないから」などと言われたくないという思いも強く、母親でもあり、時には父親にもならなければいけません。自分で考えて子供と向き合っていても、実家の両親が口出しをして「そんなに怒らなくても」と入ってこられることはよくあります。これは、実家暮らしのデメリットと考えられます。
②自由がない
離婚をして自由を手に入れたと思っていても、両親は自分の行動、そして子供の行動が気になります。
友達と遊びに行く約束があっても「子供をおいて遊びに行くのか」と言われることもあります。
持ち家に住むパターンとしては、「離婚前からの家にそのまま住むことになった」、もうひとつは「離婚後に自分で購入した」ということが考えられます。離婚前からの家にそのまま住むことになった場合、ローンの支払い義務が元夫か自分であるかによってメリットやデメリットも少し違います。
①財産になる
家賃と異なり、ローンがあったとしてもこの家は自分の所有物です。万が一、大きな金額が必要となった場合でも売却することで現金化することができます。また、あっては困るのですが、自分が亡くなった後、子供の財産となります。
②老後の住まいの心配が軽減される
持ち家であると、老後の自分の住まいの心配が減ります。高齢になってから1人暮らしで賃貸を借りようと思っても、契約が困難になることがあります。住まいが見つからないとなると大きな問題となり、子供にも迷惑がかかることになります。しかし、持ち家であれば修繕は必要ですが、住み続けることができます。
③近所付き合いがある
持ち家に住んでいると近所付き合いは増えます。良い関係が築ければ、子供の面倒を見てもらえたり、お互い助け合うこともできるかもしれません。
①固定資産税がかかる
もちろん自分の所有物であれば、年に1度固定資産税を納付する必要があります。年金暮らしになってからの高額の固定資産税の支払いは家計を圧迫します。
②修繕費がかかる
家は老朽化していくため、その修繕がどうしても必要となってきます。その修繕費用も多額となりやすいため、家のためにお金を貯めておく必要があります。
③引っ越しがしにくい
土地、家を購入すると簡単に引っ越しはできにくくなります。その家がすぐに売れるかという問題も出てきます。
そのため、ご近所トラブルがあっても基本的に自分で解決する必要があり、どうしても自分で対処ができない場合は、町会長や警察に助けを求めなければいけません。
当道府県や市町村で管理をしている公営住宅も住まいのひとつとして検討している方も多いと思います。シングルマザーの強い味方です。そんな公営住宅にも実はメリット以外にデメリットもあります。
①家賃が安い
なんといっても公営住宅の最大のメリットは「家賃の安さ」です。収入や家の間取り、場所によって価格は違いますが、一般の賃貸アパートと比べると安く、とても人気があります。
②子供の友達ができやすい
公営住宅には年齢の若い世帯や同じくシングルマザーの方も多いため、自分自身も子供も友人を作りやすい環境となっています。お互いに助け合える環境が身近にあるというのは、心強いです。
①設備が不十分
公営住宅によっては、風呂釜や給湯器がついておらず個人で入居時に購入する必要があります。また、築年数が古いものが多く、内部はリフォームされている住居もありますが、最新設備が整っているわけではありません。
②好きな間取りが選べない
世帯の人数によって、住居の部屋数が制限されていることがあります。子供と2人で暮らす際、2LDKを希望することができず1LDKの住居を選択しなければいけないこともあります。
③抽選に当たりにくい
その安さから公営住宅は人気のある物件です。そのため、応募者が多数の場合、抽選になります。
その抽選に外れることが多く、人気物件に住むことができるのはかなりの確率です。
今、人気のシェアハウス。若い単身世帯から高齢者まで、どんな世代からも注目を集めています。
テレビ番組などでもよく取り上げられているので、興味を持っている方も多いと思います。
①にぎやか
一番のメリットはこの「にぎやかさ」です。特に働きに出ているシングルマザーの子供が小さいのであれば、子供の寂しい思いを軽減することができます。また、最近問題となっている子供の「孤食」を防ぐこともできます。食育の観点からもメリットがあると言えます。
②家賃が安い
公営住宅ほどではありませんが、家賃や共益費は住んでいる全員でシェアするので比較的抑えることができます。
シェアハウスも基本的に賃貸であるため、固定資産税などもかからず、年間を通しても住まいにかかる金額は良心的な価格となります。
①思春期の子供には不向き
子供が小学校高学年以上になると、このシェアハウスの生活を継続していくには問題が起こります。
プライベートを重視したいという気持ちが芽生えてくるところに、親ではない人と共に生活をすることに違和感や抵抗感を示すからです。シェアハウスに住む場合は、子供とよく話し合う必要がでてきます。
②プライベートがない
子供だけではありません。もちろん自分のプライベートの時間や空間が少ない環境となります。
住み始めた頃は、すべてが新鮮で楽しいと感じたことも時間の経過とともに、お互いに意識の変化が少なからず起こることが予想されます。
③共同スペースの苦情
トイレ、お風呂、台所、リビングなど共同スペースの使い方や、掃除の仕方などについて、少なからずトラブルが起こる可能性があります。育ってきた環境が違う者同士、どこまで折り合いをつけることができるかが、シェアハウスに住めるかどうかの判断基準と考えられます。
住まいを決める時は、何を優先すべきかを整理するとわかりやすく、またどんな住環境であったとしても、メリットもデメリットもあると思いましょう。シングルマザーにとって一番大切にしたいのは子供です。子供と笑顔で毎日生活できるために、自分に適した住まいを見つけていきましょう。