子供が2歳の時に地元に帰り別居後、子供が4歳の時に離婚しシングルマザーになりました。
こんにちは。この記事を読んでいるあなたは、現在シングルマザーとして仕事に育児に頑張っている方でしょうか?それとも、これからシングルマザーになるかもしれないと不安を抱えている方でしょうか?
今回の記事は、シングルマザー歴10年の私が、シングルマザーになってから感じた子育て事情についての話をお届けします。ここでは、離婚後から現在まで(子供が2歳から12歳まで)の体験談を綴りました。これから先、シングルマザーにどんなことが起こるのか。私の体験談を読んで、みなさんのお役に立てることがあれば嬉しいです。
私は離婚後、地元である沖縄に里帰りしています。子供が2歳のときです。それまで地元が遠方だったこともあり、子供は祖母である私の母にはほとんど会ったことがありませんでした。そのため、ほぼ初めて見る祖母に全くなつかず、顔を見るだけで泣き出してしまうような状態だったのです。
当時、私は夕方から深夜にかけて飲食店で仕事をしていたため、私が出勤する際には、子供を母に預けなければいけませんでした。夕方以降であれば、子供も寝るだけなので、たとえ母になついていないとしても、夜9時頃になれば一人で寝るだろうと思っていました。しかし、仕事が終わって深夜に家に戻ると、子供がバタバタと足音を立てて私を出迎えます。どうやら私が帰宅するまで寝るどころか、泣き続けていたようです。
そんな日が何日も続き、ご近所さんからも苦情が来るようになり、私の母は精神的に追い詰められました。いわゆる育児ノイローゼです。挙句の果てに、「私が家を出ていく」と言いだしたのです。県外で寮付きの仕事も見つけたようで、その意思の強さから、相当無理をさせてしまっていたことに気づきました。
今思えば、2歳そこそこの子供にとって、寝る時間に母親がいないというのも相当な不安だったと思います。
そんなわけで、母にも子供にも無理をさせていたことに気づいた私は、夜間の仕事を辞め、転職しました。
余談ですが、その後、私の母は県外の寮付きの仕事を数ヶ月しました。仕事をするなかで、友達もたくさんできたようで、帰ってきたときの表情はとても生き生きとしていました。私の子供も久しぶりに祖母を見たとき、「ばーば!」と大声を出し、泣きながら母のもとに走っていきました。
シングルマザーは離婚によって、両親など様々な方にお世話になりながら暮らしていきますが、周りとの調和、適度な距離感、それぞれの自由を意識して、みんなが幸せを感じられるような向き合い方が大切なんだと思えました。
実は、シングルマザーになったばかりの頃は「シングルマザーって自由で楽しい」と感じていました。辛かった結婚生活から解放されただけでなく、児童扶養手当や医療費助成制度などの経済的支援を受けられることを知り、心の余裕に繋がっていたからです。
しかし、現実はもちろん甘くありませんでした。仕事や育児に追われるようになり、徐々に心が不安定になっていったのです。
シングルマザーが珍しくない時代とはいえ、世間の目はまだまだ厳しく、職場の上司からは「シングルマザーなら、もっと頑張れるはずだ」と言われることもありました。私の働いていた職場は雑談禁止、お昼の休憩時間もほとんどないような環境でした。仕事が終わればすぐに子供のお迎えに行き、家に帰れば山ほどある家事を片付け、友達と会ってお茶をするような時間や経済的余裕もなかったため、仕事や育児の悩みを誰かに話すなんてことができなかったのです。
友人との会話は電話やメールぐらいで、直接会って話すのは半年から年に一回ほどという生活が10年続きました。次第に私はストレスが溜まり、自分の心が渇いていくのを感じました。そんな状況だと、子供に対しても優しく接することができません。子供が幼稚園や学校に行くのを嫌がった日には、無理やり行かせたり、ワガママを言うようなことがあれば、理由も聞かずに大声で叱ったり…。良くない状態だとは分かっていても、誰かに相談することもできなければ、解決の仕方も分からなかったのです。
シングルマザーになってから生きることに精一杯で心に余裕がなくなっていた私は、子育てのヒントや子供の心理について学ぶ必要があると感じました。そこで、子供の心理について通信講座で勉強を始めました。
勉強を進めるうちに、子供の気持ちが分かるようになり、子育てにも余裕が生まれました。それまでは自分のことでいっぱいいっぱいだった状態から、子供への愛情を一番に意識できるようになったのです。
また、そんな時に子供が通う小学校のソーシャルワーカーから「ペアレント・トレーニングを受けてみてはどうか?」という話がありました。(ペアレント・トレーニングとは、1960年代に知的障害や自閉症などの子供をもつ家庭向けにアメリカで開発されたプログラムで、現代では子育てトレーニングとして一般家庭向けにもおこなわれているものです。)興味があった私は、ペアレント・トレーニングを学び、週一回おこなわれるワークに参加するようになりました。毎週のワークに参加することで、どんどん子供を褒めるのが上手になっていったのです。それまでは、「ご飯は残さず食べなさい」「学校に行きなさい」「早くお風呂に入りなさい」と常に命令口調で、子供の笑顔もあまり見られなかった生活から、子供の笑顔が増え、母子ともに精神的に安定していきました。
また、ペアレント・トレーニングでは、似たような悩みを持つお母さん方と話をすることができるので、同じく子育てに苦戦している母親の体験談や本音、情報が聞けるのは心の支えになりました。その場では自分の悩みを打ち明けても誰にも反論されることはありません。本音を話し、それを誰かが聞いてくれるだけで、子育ての不安が解消され、気持ちが明るくなっていきます。結果的に、子供への愛情が増し、子供を強く叱るようなことはほとんどなくなりました。
世の中には子育てに関する情報がたくさん溢れています。それらの考えや意見に左右されて、自分を見失ってしまうのは怖いですが、いろいろ試してみれば良いと思っています。失敗したら、またやり直す。そうやっていくことで、自分に合った方法が見つかるのではないでしょうか。
みなさんは、子供と話をするとき、どのような姿勢で聞いていますか?
私は以前は、子供とじっくり話す暇もなく、常に急いでいたため、十分なコミュニケーションは取れていませんでした。それが今では適度なコミュニケーションが取れ、お互いに笑顔で過ごすことができています。
意識しているのは、子供の話をただ頷いて聞くということだけです。これが子供の心を折れにくくする方法なのです。考えてみれば大人も同じですが、頷きながら話を聞いてもらうだけで、肯定されていると安心し、自信がつきます。
仕事に家事に忙しいシングルマザーのみなさんも、子供とのコミュニケーションは時間の長さだけではなく、向き合い方を意識してみてください。少しの時間でも、子供の話を受け止められていれば、暮らしに笑顔が増えると思います。