子供が0歳のときに離婚し、地元へ戻る。子育てに協力的な両親が近くにいることに感謝しながらも、教育方針への違いなどからストレスが溜まることも。。。子供が中学生になるまでにはマイホームを持ちたいと、節約に勤しむ。
子育てと仕事の両立は、シングルマザーであるかどうかに関係なく、女性にとって永遠のテーマだと思います。私も結婚当初から悩んでいて、大好きな仕事をセーブすることにストレスを感じていた時期もありました。それでも、子育てを優先することができたのは、元夫の収入もあり、私が仕事をセーブしても安定した生活を送ることができていたからだと思います。
しかし、離婚という状況になると、切実な問題になりました。私がひとりで子供を育てていくためには、ある程度の収入が必要になります。一方で、離婚当初、まだ1歳だった子供のことを考えると、保育園に預けられる時間も決まっているし、働きたいだけ働くという選択はできませんでした。他にも、「小さい子供はよく熱を出すし、その度に職場に迷惑をかけるのは申し訳ない。」「子供が小さいうちはできるだけ一緒にいる時間をもちたい。」「仕事があるだけマシ。贅沢は言っていられない。」など、さまざまな思いから、収入を増やすことを諦め、支出を減らすしかないだろうと考えていたのです。
私が働いていた職場は、ちょうどワーク・ライフ・バランスについて取り組みを強化している時期でした。そのため、在宅ワーク制度やフレックス制度の導入などが実施されていました。とはいえ、あくまでもそれは制度だけ。実際に利用している人はほとんどおらず、業務の性質上、出社しなければいけないことも多かったため、自分ごととしては考えていませんでした。それが、上司と何気なくした雑談から大きく状況が変わったのです。
上司:仕事どう?大変?
私:いえ、時短なので何とか大丈夫です。でも、やっぱり、子育てとの両立って難しいですね。本当はもう少しやってみたいこともあるんですが、時短だとできること限らてますしね・・・
上司:へー、そんなこと考えてたんだね。てっきり、みたらしさんは今の仕事以上のことしたくないんだと思ってたよ。それなら、在宅でもできそうな仕事探してみるから、お願いしてもいい?
私:いいんですか?在宅って誰もやってないですよね?
上司:誰もやってないから、みたらしさんがやってみればいいじゃん。会社としても、シングルマザーのみたらしさんが活躍してくれたら社会的に意義があることだし、これから子育てと両立したいっていう女性のために実績つくれるじゃん。女性は優秀な人が多いから、僕らとしても抜けてもらっちゃ困るんだよね!笑
その後、業務の中から在宅でもできる仕事を洗い出し、更に営業社員の負担になっている資料作成などの業務を任せていただけるということで、私の在宅勤務がスタートしました。割合としては、週2日は在宅で、3日は出社という形をとっています。それまで通勤に要していた片道1時間が削減された分、月間労働時間が伸びたので、収入も少しアップしました。そして何よりも、心身ともに余裕が生まれたのです。それは、朝バタバタ準備する必要がなくなったり、もし子供が熱を出したとしても、子供が寝ている間に仕事をすることができるなど、選択肢が広がったからです。
私の場合は、会社が制度として強化していた時期であり、上司が理解のある人だったからこそ、このような機会に恵まれたのかもしれません。それでも、私が上司に話さなかったら、そもそも諦めていたら、今のような働き方をすることはなかったと思います。
では実際、どのような働き方をしているのか、とある1日のタイムスケジュールをご紹介します。
我が家は6時には子供と一緒に起き、朝食をとった後、身支度を済ませます。保育園に子供を送って、家に帰ってきたら朝食の片付けや簡単な部屋の掃除をします(この少しの余裕がとても大切!)。そして8時にはパソコンを開いて仕事を始めます。通勤時間が減ったおかげで、在宅勤務の日の勤務時間は8時間30分になりました。基本は8時間勤務を目安にし、やり残した業務がある時は30分の残業をするイメージです。そして、在宅勤務をしてみて変わったのが、昼休みの使い方。この1時間も自宅で過ごすので、何をしてもいいわけです。私は簡単な昼食を作りながら、夜ご飯の下ごしらえも一緒にしてしまいます。保育園から帰ってきた子供はお腹が空いてグズグズすることも多いので、昼休みの間にできることはやってしまいます。このちょっとした工夫のおかげで、私も子供もストレスが減ったと思います。終業後、子供を保育園に迎えにいってから寝かしつけまでの時間はいつもバタバタと過ごしますが、その後に待っているひとり時間を楽しむことを目標にがんばります。
このように、在宅勤務という働き方の選択肢ができたおかげで、私の日常生活は大きく変わりました。今はまだ、在宅でできる仕事は限られているので、週2日という割合ですが、在宅でもできる仕事を自らつくっていき、上司に提案してみようと考えています。こういう働き方が一般的になれば、切実な問題を抱えているシングルマザーだけでなく、子育てと仕事の両立に悩む女性たちの大きな望みになるのではないでしょうか。そんな子育てに優しい社会になることを願いつつ、私にできることも探していきたいです。
『平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告』によると、働くシングルマザーは全体の81.6%だそうです。そのうち44.2%は正規雇用、43.8%はパート・アルバイトなどの非正規雇用であることがわかっています。また、平均年間就労収入は200万円。前回の調査結果より改善されているとはいえ、子育て世帯が安心した生活をおくる上では十分でないことは明らかです。
働き方の選択肢が増えたとしても収入が大幅に増えるわけではありません。それでも、子育てを理由に、女性が業務量をセーブしたり、昇進や昇格を諦めなければいけないという状況を改善することができるかもしれません。
ひとりで子供を育てていくのはとても大変なことです。子供と一緒に笑って生きていくためには何が必要なのか。また、そのためにできることは何かないか。それらについて、真剣に考えていくことが大切なのです。