シングルマザー歴4年目。離婚前は専業主婦をしていましたが、離婚をきっかけに社会復帰しました。現在は、飲食店でパート社員とwebライターの仕事を掛け持ちでしながら生計を立てています。
シングルマザーが転職活動をする事情は様々。ただ、せっかく転職するなら、現状よりも良い展開になるようにしたいですよね。しかし、いざ転職活動を試みようとすると、自分の理想と雇う側の思惑とのミスマッチに直面することも。そんな時、改めてシングルマザーが子供を抱えて仕事をすることの大変さを実感してしまいます。
シングルマザー歴4年目の私も、一度転職活動を経てから、パート社員とwebライターの兼業という現在の働き方にたどり着きました。実際にシングルマザーとして転職活動を経験した私がリアルに感じたこと、またそれらから分かるシングルマザーが転職活動をする際の秘訣についてまとめてみました。
私は以前、ハウスクリーニングの加盟店運営や作業商品を扱う会社に勤めていました。業務内容は、主にテレアポの仕事が7割、その他電話受付や事務作業も行っていました。私がシングルマザーになって初めて勤めた会社です。数年以上専業主婦だった私は、子育てをしながら仕事をすることも初めての体験だったので、とにかく雇用してもらえることの有難みを人一倍強く感じていたように思います。
この会社での労働時間は、平日9時~17時でした。仕事内容はいわゆる営業電話ですから、ノルマはないにしてもプレッシャーは相当ありました。特にこの会社の業界や営業という職種にこだわりを持っていたわけではなかったので、もちろん勤めている間は一生懸命任務をこなしていましたが、次第に「もう少し自分に合った仕事がやりたいかな」と思うようにもなりました。そんな時、会社が移転するため、しばらく休みになることを告げられ、稼がなければならないし、この機会にと思い、転職を試みました。
私は現在、飲食店のパート社員とwebライターの仕事を兼業しています。飲食店の方は、3年ほど勤めていて、勤務時間は平日10時~15時か17時までで週に3日程出勤しています。webライターの仕事は、収入以上にまず自分がやりたいと思い、始めた仕事です。始めてから1年以上が経過しています。基本的に時間も場所も選ばずできるので、シングルマザーにとってはとても働きやすいメリットがある一方で、雇用されているわけではないので、働く量や時間、収入に関しては自己管理になります。年収は両方合わせて約145万円です。
1.まずは市区町村の総合相談窓口に相談
私が住んでいる地区では、ひとり親総合相談窓口が設置されていて、専門相談員に仕事のこと、子育てのことなどを無料で相談することができます。離婚してから一度も行ったことがなかったため、転職活動を行うにあたって相談してみることにしました。
2.資格を活かした仕事に応募
私は介護の資格を持っているため、介護施設に応募し、面接を受けました。その後すぐに結果の連絡が来たのですが、その施設では日勤だと働き手が多いため、週に3日しか入れないとのことで、保育園や学童の申し込み、在園の問題もあったため辞退しました。しかし、介護の資格を所有していることは、自分にとって強みになると自信を持つきっかけにもなりました。
3.一般の求人媒体で今の職場に応募
求人媒体で今勤めている飲食店のパート社員募集を見つけ、応募。即合格で3年勤めています。
4.市区町村によるシングルマザー向けのパソコンセミナーに参加
学生時代以来、パソコンに触れることがなかったので、今後の仕事の展開を踏まえて参加しました。webライターの仕事にも役立っています。
5.webライターの仕事は独自で調べた
私は、昔から「書くことを仕事にしたい」という思いがあったため、どんな仕事があり得るのか独自で調べ、考えました。そこで見つけたのがwebライターという職業です。やりたい仕事ができることの喜びや達成感は収入以上の幸福感があります。
介護施設や飲食店の採用面接で実際に聞かれたことをご紹介します。
1.日勤以外は可能かどうか
これは、介護施設でも飲食店の方でも確認されました。二者択一だったら、できるだけ柔軟に勤務時間を調整できる人を選びたいというのが雇用側の本音。そうは分かっていても、小さい子供を抱えているシングルマザーにとっては厳しい要求です。合格したいからといって嘘をついてしまっては、入社後に困るのは自分自身です。できないことに関しては素直に無理だと伝えました。
2.土日祝日で出られる日はあるか
これも休業のない介護施設やサービス業でありがちな質問です。私の場合、実家がわりとすぐ近くで、両親の都合さえ合えば預けることもできる環境だったので、その旨を伝えました。
3.志望動機
シングルマザーの転職活動で、あやふやになりがちなのが志望動機。「子供を養っていくため」という理由以外には何も見つからなかったというのが本音ですが、転職活動をきっかけに自分がどういう仕事をやりたいのかを考えることが、長く仕事を続けていくことにも繋がります。
1.可能な範囲でシフトに協力する姿勢を見せる
小さい子供がいると働ける時間が限られてしまったり、何かと融通が利きにくいこともあります。雇用する側も、シングルマザーに対しては良くも悪くもそういう認識をしているものです。しかし、雇用する側が、できる限りシフトに貢献して欲しいと望むのは当然のこと。例えば、「基本的には平日出勤を希望しているけど、実家に預けてイレギュラーで出勤することもできるかもしれない」などと伝えると、会社の状況や思いを理解し、協力する姿勢を持っているという印象に繋がります。
2.子持ちで迷惑をかけてしまう可能性があることを話しておく
私は、面接の際の最後の質問のところで、「子供の体調不良で急遽お休みを頂いてしまうようなことがあるかもしれない」と伝えるようにしていました。それは、しっかり自分の状況を知ってもらった上で雇用するか判断してもらいたかったことと、伝えた時の面接官の反応を確かめたかったからです。シングルマザーにとって、小さい子供がいることの大変さを理解してもらえなければ、仕事と子育ての両立はできないと思います。面接してもらう一方で、シングルマザーとして働くことに理解をしてもらえそうな会社なのかを見極める力も必要です。
パート社員として勤めている飲食店は、入社前と入社後に抱くイメージのギャップはそれほど感じられませんでした。ただ、飲食店のランチタイムには主婦層の人が多いと思っていたのですが、実際には主婦は2人ほど。それ以外はほとんどが学生や留学外国人のアルバイトでとてもフレッシュな職場です。
それまでは、同じ子供がいる主婦層の人達の方が、子供に何かあった時に理解してもらえたり、助け合ったりできるかと思っていたのですが、学生アルバイトの子達は良くも悪くもあっさりとしていて、急に休むことになってしまった時も「大丈夫ですよ~」と快く受け止めてくれるので有り難いです。
良かったこと
今の職場で良かったなと思うことは、稀にではあるのですが、子連れで出勤をさせてもらえることです。上の子が一時期、学校でのトラブルなどがきっかけで、心身の体調を崩してしまい、不登校気味になっていたことがありました。その際も良く理解してくれて、子供の居場所を確保しながら働かせてもらっていました。店主としては、急に抜けられるよりは子連れでも来てもらえる方が良いという考えではあったようですが、シングルマザーの私にとっては本当に有難かったです。
大変なこと
大変なことは、急な休みが発生した時は、できる限り自分で代わりの人を探さなければいけないことです。見つからなければ仕方がないのですが、1人シフトに穴が空くということは、他の人達の負担が増えるということなので、その点は毎回責任を感じます。
ここまで私の体験談をもとに話を進めてきましたが、最後に、日本のシングルマザーの就業状況についてのデータをまとめてみました。
日本におけるシングルマザーの就業率は、平成23年度から28年度の間に1.2%上昇しています。平成23年度では、正規雇用よりパート・アルバイトの就業率の方が上回っていたのに対して、平成28年度にはパート・アルバイトより正規雇用の割合が多くなっています。このことから、時代の変化と共にシングルマザーが働きやすい環境へとシフトしていっていることがうかがえます。
私は久しぶりの社会復帰ということもあり、パート社員として働いていますが、安定した正社員という雇用形態はやはり魅力に感じることもあります。ただ、今は正社員イコール終身雇用という考えは古い時代です。どんな働き方を選んだとしても、5年先、10年先の未来を想像しながら、成長する努力を忘れないでいたいですね。
シングルマザーが転職活動する際の秘訣についてご紹介しましたが、みなさんいかがでしたか?自分と子供の生活を考えながら転職活動をしなければならないのは大変ですよね。大切なのは、子育てをする上で妥協できないボーダーをある程度自分で決めておくことと、雇用側の考えにも耳を傾けながら、可能なところは協力する姿勢を持つことです。その上で、面接などで会話をしながら自分の状況に見合った会社を見つけましょう。