シングルマザー歴3年。子供は8歳と5歳の男の子2人です。上の子が5歳、下の子が2歳の時に円満離婚。離婚後も元夫やそのご両親達との関係は良好。「どうせ離婚するなら皆が幸せに」をモットーに、仕事に子育てに奮闘しています。
シングルマザーでパート社員として働いていると、ある面では、「やっぱり正社員の方が良いのかな」と悩むこともあれば、またある面では、「パートで良かった」と心底感じることも沢山あります。シングルマザーだからこそ、どんな働き方を選択するかはとても重要。実際にシングルマザーである私が、パート社員として今の職場を選んだ理由や働き方、収入、そして今の職場で良かったこと・大変なことについて、今後の働き方の展望も交えてご紹介します。
まず私の話をする前に、日本のシングルマザーの就業状況について、データをまとめました。
以上の表から分かるように、平成23年度の調べではパート・アルバイトとして働くシングルマザーが正社員として働くシングルマザーより多かったのが、平成28年度には正社員の割合の方が少し高くなっているのです。また、年収も約20万円上がっています。子供を一人で育てるシングルマザーにとって、正社員という働き方は、安定性や収入面で魅力的な部分があるのは確かです。
私が現在働いている職場は、チェーン展開している飲食店です。子供が5歳と2歳の時に離婚してから現在まで約3年間、パート社員として勤めています。離婚後、当然正社員として就職することも選択肢の1つにはありました。しかし、専業主婦だった私は、いざ働くとなった時に、子育てと仕事との両立をするにもイメージが湧きませんでした。
シングルマザーになって仕事をするとなった時に、最初に考えたのはやはり子供の気持ちでした。それまで専業主婦でほぼ付きっ切りでしたから、子供の心境にも少なからず影響はあるだろうと想定できました。母親として子供の様子には細心の注意を図りたいと思い、最初の数年は融通の利きやすいパート社員として働くことにしたのです。パートで働きながら、シングルマザーとしての働き方を自分なりに探っていこうと決めました。
私が勤めているお店では、1週間毎のシフト制で2週間前までに希望を提出する仕組みです。ただ、私の場合、保育園に子供2人を預けているため、区が認定している最低労働時間以上は働かなければならなかったので、面接の段階で可能かどうか確認していました。シングルマザーになって初めての仕事は、私にとって5年ぶりの社会復帰でもありました。久しぶりの仕事且つ初出勤というのはとても緊張するものです。仕事をするということは、仕事内容だけでなく、職場での人間関係もありますから、最初のうちは想像以上にぐったりしていました。
当初は、平日の10時~15時で、次第に17時までと延ばしていきました。保育園の行事や保護者会などで休みたい日があれば、希望を出せば休むことができます。また、お店には個室や休憩室もあったので、冬休みで保育園が休みの日には自ら店主に子連れ出勤を提案し、賛同を得ています。
このように、シングルマザーとしての生活が始まって、自分も子供も無理なく自分のペースで慣らしていくことができるのは、シフトで融通が利きやすいパート社員ならではです。
皆さん周知のとおり、パート社員の収入は時給制です。つまり働いた時間分がそのまま収入になります。出勤時間が少なければ、その分収入も減るので、1ヶ月毎の収入に少々バラつきが出てしまいます。シングルマザーがパート社員で生計を立てていくためには、家計を見直して、最低支出分と働く時間を計算してシフトを入れるようにするのがおすすめです。
シングルマザーは、児童扶養手当などの支援金も支給することができます。シングルマザーだと、どうしても収入を増やすことばかりに囚われてしまいがちですが、親子の時間をつくることも立派な子育ての一環です。支援金などを利用しながら、仕事の量を考えて豊かな子育てができる環境を整えていくことが大切です。
はじめはシングルマザーとしての生活の在り方が分からず、手探りのために始めたパート社員としての仕事ですが、思いの他、「パートで良かった」という場面がいくつもありました。その一方で、「やっぱり正社員の方が良いかな」と迷うこともあるのが正直なところ。私がシングルマザーになって、今の仕事を選んで良かったこと、大変なことについてまとめてみました。
1.子供との時間を確保できること
一番は何と言っても子供との時間を確保しやすいことです。子供はどんな時も親のことを見ていますし、親の言動ひとつひとつが子供の心身に大きな影響を与えることも分かっていました。幼少期の体験が、子供の人生の基盤となる。だとすれば、子供が小さい今こそ子供と向き合う時間をつくることも立派な親の務めです。
それが可能なのは、パート社員だからこそです。正社員になれば、時間に縛りが生じてしまうもの。融通の利きやすいパート社員こそ、シングルマザーに最適な働き方なのではないでしょうか。
2.自立心が強まること
社会で働くこと=正社員。かつて私自身もそう思っていました。しかし、実際にシングルマザーでパート社員として働いてみて感じたことは、パートだからこそ全て自己責任であるという事実です。パートだからと仕事に手を抜けば、希望するシフトに入れてもらえないかもしれないという緊張感があり、また収入も労働時間も自己管理になります。
信頼を得て必要とされる人でさえあれば、自分が望む労働時間と収入を確保することができるという環境だからこそ、シングルマザーとして生きていくための自立心を培ってこれました。
大変だと感じることは、社会的な信頼度が低いことです。どんなに自分の仕事に責任を持ち、職場での信頼を得たとしても、パート社員。今後、引っ越しが必要になった時、ローンを組みたい時には審査を通過することが必須になります。しかし、世間一般的には、パート社員では社会的な信頼度はまだまだ低いのが現状です。今後の暮らしのことを見据えた時、正社員になるべきかどうか、その答えは未だに定まりません。
シングルマザーになってから、いずれは正社員として働かないといけないかなと漠然と思っていたのですが、実際にパート社員として働いて生計を立てているうちに、自分なりのシングルマザーとしての生活の在り方が見えてきました。仕事をしながらも子供と向き合う時間も確保したいというワガママな私は、自分で希望シフトを組み、収入を得るという働き方にしっくりきたのです。
それからは、正社員かパート社員だけでなく、フリーランス、業務委託という働き方も今後の展開として視野に入れるようになりました。このように幅広い働き方を模索することができたのも、パート社員として働いたことが繋がっています。
シングルマザーには、子育てという大事な任務があります。子育てと仕事のバランスをどうやって取っていくかがポイント。子供も自分も心が健全であることが何より大切なことです。子供の年齢や成長に合わせてパート社員という選択をすることも、シングルマザーとしての賢い働き方の1つです。