20代前半で結婚し、その後一人娘を出産後に離婚してシングルマザーになりました。当時は子育てと生活、仕事の両立に悩みましたが、持ち前の明るい性格で乗り越えました。
私は高校卒業後に就職し、ずっと事務職の仕事をしていました。しかし子供を産んだ後に社会復帰するには、経験があっても希望の職種には就けず、子供が小さい(特に3歳未満)とパートですら雇われないという経験をしました。
そんな中で、いかに希望の職種・希望の雇用形態で雇われるかを考え、シングルマザーとして挑戦しながら、子供との明るい生活のために頑張ってきました。そんな私の体験談をご紹介します。
私は結婚した当時、小さな有限会社で事務の正社員として働いていました。その後妊娠し、会社の人事担当者にその事を告げると、「産休など前例がない」と言われ、仕方なく辞める事にしました。
今であれば、そんな事を言う会社は無いと思いますし、こちらも社内規定や労基法を確認してもっと強く産休取得を主張できるのですが、当時は私もよく分かっておらず、「別にいいや」という気持ちであっさり辞めてしまいました。
※厚生労働省HP(必見・あなたも取れる!産休&育休)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/dl/31.pdf
その後、無事出産をしましたが、子供が1歳になる頃には「旦那と離婚したい」と思うようになりました。理由は色々ありますが、とにかく旦那は身勝手わがままで外面だけは良い人だったのです。付き合っている時はとても優しくて分からなかったのですが、結婚後は仕事でのストレスなどを私に全てぶつける様になっていました。子供の事を考えると凄く悩んだのですが、「このまま一生我慢はできない」と思い、別れる事を決心しました。
離婚の決心がついてから、いちばん最初に考えたのは社会復帰です。パートの仕事と保育園は元々探す予定だったので、育児をしながら色々と調べ、心配だった保育園もなんとか決まりました。でも離婚話がまとまらず、なかなか別れられませんでした。
ちなみに、この頃の仕事の選び方については、事務職ではなく作業系で探しました。大勢で一つの作業をする仕事なら、子供の急な発熱でもあまり迷惑をかけなくて済むし、雇う側も雇いやすいかと考えたからです。実際に事務職を探して面接を受けた時に、子供の歳を答えたら、あからさまに嫌な顔をされた事があります。(その面接の結果は不採用でした。)
なかなか離婚話が進まなかったので、子供と一緒に家を出る為の引っ越し資金を集めることにしました。「生活が苦しいし、貯金も必要だから」と旦那を説得し、夜にアルバイトを始めました。それは、週に2日〜3日の、飲み屋さんの仕事です。深夜のコンビニやファミレスも考えたのですが、やはり水商売の時給には及びません。(当時の時給は、コンビニ:1000円〜1200円、水商売:1500円〜1800円でした。)
当時の私は28歳、お客さんには少し歳をごまかして、ハタチそこそこの若い子達に混ざり、一年間頑張りました。
その甲斐あって、引越し出来るくらいの貯金は集まりました。
夜の飲み屋さんでのアルバイトと並行して、昼間の仕事探しもしました。
当時、昼間にしていたパートは作業系でしたが、時給が安い(800円)ので、何とか正社員になりたいと思ったのです。まず探したのは、採用ハードルが低めの営業系です。求人情報にも、未経験OKの正社員としてよく載っていたのは保険会社の営業でした。そこではまず一年間の研修期間があり、その間の月給は17万円。何とかやっていける金額でした。
昼間と夜間の仕事で引っ越し資金を貯めた私は、ついに別居生活を始めます。引っ越し先は、1DKの賃貸アパートです。最初に離婚話をしてから既に4年近く経っていたので、私の変わらない気持ちに旦那もそろそろ諦めていたのだと思います。最後に置き手紙を残して家を出ました。
別居後は昼間に保険会社で営業の仕事をしていました。保険会社での営業の仕事は、研修中は良かったのですが、資格を取ると外に出て飛び込み営業が始まります。実は私がその会社の求人を見た時には、既契約者の保全の仕事のみだったはずが、入ってみるとがっつり新規営業をさせられました。それがどうしても私の性格には合わず、また転職活動をする事にしました。(保険営業は営業が向いている方にはお勧めの仕事です。固定の基本給+販売した保険商品の成績が上乗せされるので、年収が1000万円を超える方も何人かいらっしゃいました。それは同じく、子持ちのシングルマザーです。)
その後の転職活動を経て、希望の事務職で、正社員として働くことが決まりました。
★家族構成は、聞かれなければ言わなくて良い
これはあくまでも私の場合ですが、シングルマザーだという事はわざわざ自分から言わなくてもいいと思います。家族構成は選考の判断材料にされるべきではないからです。それよりも、とにかくまずは就職できることが大事なのです。子供が小さくて、休む可能性が多い場合などは事前に理解してほしいこともあるかもしれませんが、私の場合は、子供がもうすぐ小学生になる頃でした。もしもの場合に頼れるところもいくつかあった為、面接の場ではあえて伝えるということはしませんでした。
★関連性の高い経験をアピール
私が希望したのは事務職です。その為、履歴書・職務経歴書には今までやってきた事務に関する仕事の内容を細かく書き、出来ることをアピールしました。(経理関連や、エクセル・ワード・アクセスの使用経験等)
面接では相手がどんな答えを求めているかを想像して、応答するのが成功のコツです。
★とにかく明るく元気に
久しぶりの社会復帰や、自分の経歴に自信がない場合、面接で不安になるのは当然です。でも、面接で何よりも大事なのは、元気な表情ややる気だと思います。私自身も明るくハキハキ答えることを意識しており、未経験だったにも関わらず銀行の仕事や、大手通販会社に合格した経験があります。
子供は小学生になりました。平日は学校が終わったら児童館に通い、それから帰宅します。私は仕事を終えて、スーパーで買い物をしてから家に帰るのが今までのパターンでした。しかし、残業が増えて来たので、家事の時間短縮を考え、食材の宅配業者を利用する事にしました。前もって一週間分のメニューを選んで注文することで、毎日の献立を考える時間と食材を買い揃える時間、その為の移動時間も省けます。「温かい料理を子供の為に作ってあげたいし、なるべく早く帰りたい」そう思っています。とはいえ、仕事で疲れて惣菜を揃えただけのご飯になる事もあるし、「今日は遅くなるからこれを食べておいてね」と、温めるだけでいいメニューを準備する事もあります。
その分、休みの日は子供のリクエストを聞いて、一緒にご飯を作ったり、たまには外に食べに行くこともあります。
正社員として就職できたおかげで、ボーナスも出るようになりました。生活に少し余裕が出た分、有給休暇を取って子供と二人で旅行にも行くこともできるようになりました。
シングルマザーとして生活する為に大事なことは、なによりも生活費の確保です。そこで必ず押さえておきたいのは、公的な助成金や補助金を受けることですが、こちらから調べて申請しないと貰えないものも多くあります。また、各助成金・補助金には所得制限があったり、自治体によって内容や種類が違うので、お住まいの市区町村役場で確認しましょう。
そしてこれらは、申請から実際に支給されるまで、日にちがかかります。離婚したらなるべく早く手続きをおこないましょう。私の場合、市役所で「母子認定されるまで3ヶ月かかる事もある」と言われて結構焦りました。(実際は1ヶ月ほどでした。)
実際に正規雇用と非正規雇用ってどう違うの?その一般的な違いを、シングルマザーの生活に置き換えて考えてみます。
メリット
収入が非正規雇用よりも多く、安定している。福利厚生も多く受けられる。結果として、貯蓄ができる。
デメリット
残業があり、帰りが遅くなる。子供と接する時間が減る。平日の子供の学校行事にはあまり参加できない。
メリット
時間の融通が利くので、家庭の用事や子供の学校行事も参加できる。
デメリット
収入が正規雇用に比べ低いので、生活にあまり余裕がない。
このようにどちらもメリット・デメリットがありますが、やはり収入が高い方が生活や将来の選択の幅は広がると思うのです。子供が大きくなると、本人の希望があれば習い事や学習塾に行かせてあげられます。
私の体験談が、今現在お悩みのみなさんに少しでも役に立てれば嬉しいです。