シングルマザー歴4年です。シングルマザーになりたての頃は会話らしい会話ができなかった子供達も今は大きくなり色んな話が出来るようになりました。ですが最近は反抗期かな?と思うことももちらほら。楽しいですが悩みもつきない毎日です。
私がシングルマザーになった時はフルタイム勤務で事務の仕事をしており、子供達は保育園に通っていました。その保育園は延長保育が朝も夜もあったので、長時間働くことができました。ですが、上の子がもうすぐ小学生という時になり、「小1の壁(小学校入学後、子供を夜間まで預けることが困難になり、母親が働き方の変更を強いられる問題)」という問題があることを知り、転職を考えるようになりました。その時まず思ったのは、「自分の希望をなるべく聞いてくれる仕事に就きたい」ということでした。希望とは「なるべく子供の行事に参加したい」「子供が急病の時にはついていてあげたい」「子供が休みの日には自分も休みたい」などなどたくさんありました。いろいろ悩んだ結果、私が辿り着いた答えは「介護の資格を取る」ということでした。
私が介護職を選んだのは、求人数が多いからです。人材不足ということは、こちらの希望を受け入れてくれる職場が見つかりやすいのでは?と思ったのです。以前から福祉の仕事に興味を持っていたことも理由のひとつでした。その後、スクールで介護職員初任者研修の資格を取得し、家の近くの施設でパート社員として働きだしました。
介護の資格取得についてですが、ハローワークの求職者支援制度などを使えば受講料無料で取得できます。また、就職先が受講料を負担してくれるケースもあります。ハローワークや会社によって制度は違うので、事前に調べておくことをおすすめします。
実際に介護職として働いてみて良かった点はたくさんありました。まず、休みの希望をだしやすいことです。小人数のスタッフで運営されている施設は難しいかもしれませんが、私が働いていたところは面接時に希望をはっきり伝えていた為、比較的休みが取りやすかったです。
あとは、シングルマザーの方が多く働いていたことも良かったです。同じ境遇で頑張る者どうしだからこそ、プライベートのことも理解してくださる方が多かったです。
やはり介護職は人手不足のところが多いので、スタッフの希望はそれなりに考慮してくれるような気がします。
ただデメリットもあります。いくつかありますが、まず給料が低いことが挙げられます。私の場合、前職と比べてかなり手取り月収が減りました。ですが、私は「子供が小さいうちは夜勤もできないから仕方ない」という思いがあったので、給料については最初から諦めていました。
その他、疲労度が高いことも大変な点でした。前職は事務職だったこともあり、介護職の肉体的な疲労度は想像以上でした。腰痛で病院に通うことも増えたので、「夜勤をしなくても福祉の仕事で稼げる方法はないか?」と思うようになります。
私が介護職を選んだ理由は他にもありました。それは介護職はキャリアアップできるという点です。最初は給料が低くても、経験を積むことで給料アップの可能性があるのです。
まず3年間は現場で実務経験を積みます。その間、実務者研修を取得すると介護福祉士の受験資格を得ることができます。介護福祉士になることで給料は上がりますし、バックアップ制度として、介護福祉士になるための金銭的なサポートなどをしてくれる会社も多く存在します。
そして介護職として5年の実務経験を積むと、今度はケアマネージャーと言われる介護支援相談員の試験を受けることができます。ケアマネージャーは利用者と面会はするものの、実際に介護を行うことはなく、ケアプランという計画書を作成したり、利用者の情報を確認したり、介護サービスの報酬を計算したりと、デスクワークが多いのが特徴です。
現場で働くのが好きな方も腰痛や膝痛などで仕事を続けるのが困難になることも少なくありません。その点、ケアマネージャーはデスクワークのうえ、日勤のため、長く介護職を続けた方が目指すひとつの到達点である職種です。
『平成29年度 介護労働実態調査結果』によると、介護職員と介護支援専門員(ケアマネージャー)の賃金は以下の通りです。
〇介護職員/平均賃金211,464円(月給の者の場合)
〇介護支援相談員/平均賃金255,521円(月給の者の場合)
ケアマネージャーになることで、お給料がアップすることはおわかりいただけたでしょうか?
実は私も介護をはじめた頃は介護福祉士の資格を取得し、ケアマネージャーになることを目指していました。高齢者の方のお世話をすることはとても大好きでしたし、嫌なことや辛いことももちろんありましたが、お話している時の楽しさはとても私の心を温かくしてくれていました。
それが、福祉の仕事をしていくなかで、ケアマネージャーではなく「社会福祉士」を目指すことに気持ちが変わっていったのです。
「社会福祉士」とはいわゆる「ソーシャルワーカー」と呼ばれる社会福祉専門の国家資格です。身体的・精神的・経済的なハンディキャップのある人から相談を受け、日常生活がスムーズに過ごせるように支援をしたり、困っていることを解決できるよう支えたりする仕事です。
社会福祉士はあまり知られていない職業かもしれませんが、仕事の範囲や対象は広く、高齢者や身体・知的障がい者、発達障がい児、ひとり親家庭などの相談にのり、支援を行っていきます。
仕事場は高齢者施設や地域包括センター、病院、児童相談所や母子生活支援施設、都道府県の福祉事務所など様々な場所があります。
国家資格なのでお給料もアップしますし、社会福祉士の仕事を知れば知るほど、「社会福祉士になりたい」という気持ちが強まりました。そして、社会福祉士になる為に必要なことを調べました。
まず社会福祉士になるには「社会福祉士国家試験」に合格しなければなりません。
ですがこの国家試験は誰でも受験できるというわけではありません。受験資格を得ないと試験さえ受けることができないのです。
社会福祉士の受験資格
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター(http://www.sssc.or.jp/shakai/shikaku/route.html)
公益財団法人 社会福祉振興・試験センターのホームページにある受験資格を見てわかる通り、福祉系大学出身者や福祉の現場にて相談業務に携わっていた方であれば、受験資格を持っている可能性が高いのですが、私のように最近介護の仕事を始めた人間にとっては、受験資格を得るまでの道のりが長いのです。
ですがケアマネージャーの受験資格を得るまでに5年かかることを考えれば、私にもまだチャンスは残されているはず。そこで、どうすれば受験資格を得ることができるのか、考えました。
現場で働きながら受験資格を得るのが一番良いとは思いますが、私の知るかぎり相談援助の仕事で未経験者を募集しているところはほぼありませんでした。もし相談援助の仕事に就くことができたとしても、さらに社会福祉士一般養成施設にて1年以上の勉強が必要です。
そこで私が選んだ方法は福祉系大学で4年間勉強し、受験資格を得るというものでした。
ただし、私はシングルマザーです。大学に普通に通える経済的な余裕も時間もありません。結果、私が選んだのは通信制大学です。
通信制大学だと基本的に、勉強は自宅でできます。昼間は仕事もできます。そして自分のペースで勉強できるのも良い点です。大学費用は全日制より安く、入学の難易度も全日制より低い為、シングルマザーの私にはピッタリでした。
入学したのは今から2年前。最初は慣れるまで時間がかかりましたが、今は好きな時に授業をオンデマンドで受けることができています。
社会福祉士は国家資格の中でも合格率が低く、難しい試験のひとつといえます。
第30回(平成29年度)受験データ(厚生労働省発表)は以下の通りです。
〇受験者数/43,937名
〇合格者数/13,288名
〇合格率/30.2%
これらのデータからも分かるように、決して簡単に取得できる資格ではありません。
だからこそ、大学でじっくりと学ぶという道を選択したのです。
また、大学費用について心配される方もいらっしゃるかと思いますが、費用については厚生労働省が母子家庭の経済的な自立を支援するため、自治体と協力をして資格取得支援に取り組んでいます。内容はお住まいの自治体によっても違うので、窓口などでご相談してください。
子供達は勉強している私を見て、最初は不思議そうにしていましたが、今では一緒に勉強したり、テストの時は励ましてくれたりもします。私は今、社会人と大学生という二足のわらじを履いた生活をしていますが、目標に向かって進んでいる今、とても毎日が充実しています。現在の収入は低く、決して満足できるものではありません。しかし、2年後には絶対合格して、安定した生活を手に入れる為にと頑張っています。子供が小学生の間に資格を取得して、お金がかかるようになる中学生から専門職として勤務することが私の目標です。