子供が1歳のとき離婚し、3歳のとき現在の夫と再婚。アメリカ人の夫とは育児の常識が違うので、カルチャーショックを受けることも多い。現在はカウンセラーとして女性の悩み相談・メンタルケアに対応。URL:https://megumiriyo.themedia.jp/
私は子供が1歳のときに離婚してシングルマザーとなり、3歳のときに現在のパートナーと再婚しました。正直離婚前には「子供を抱えたシングルマザーの私には、もう出会いなんてないだろう」と、恋愛や再婚をあきらめかけていたのですが、実際シングルマザーになってみると状況は真逆でした。他のシングルマザーたちと話しても「みんな結構恋愛してるよ」との言葉通り、大多数に彼氏やパートナーがおり、同年代の独身女性たちよりもずっと恋愛を楽しんでいる印象を受けました。
これは、子供がいることでチャンスが狭まるのではなく、より真剣な気持ちの相手がアプローチしてくれるようになるからではないかと思います。シングルマザーと付き合うということは、独身の子供がいない女性と付き合うよりいろいろな制約が出てくるのは明らかだからです。それでも、そんな状況を理解してくれる懐の広い男性は存在します。これからシングルマザーになる予定のみなさんには、ぜひ希望をもってほしいと思います。
ではまず、実際に私がどのような方法で出会いを経験したのか、そのメリットとデメリットを踏まえながら紹介していきたいと思います。
シングルマザーになった私が最初に経験した新しい出会いは、SNSのコミュニティを通じたものでした。離婚した私は、以前から気になっていたLGBTのSNSコミュニティに登録してみたのです。これは私自身バイセクシャルなので、同じ状況の友人がほしかったのと、離婚したばかりだったので、ストレート(異性愛者)の男性にあまり関わりたくなかったからでした。
誰か気が合う友人が出来ればいいな、くらいの軽い気持ちだったのですが、登録してみてまず驚いたのは、このコミュニティにはたくさんのシングルマザーたちがいたことです。女性やトランスジェンダー男性(生まれたときは女性)と付き合っているシングルマザーも多かったですし、単に友人を作りたくて登録している女性たちもいました。「シングルマザーだと場違いじゃないかな…」という不安でしたが、まったくそんなことはなく、誰もが温かくコミュニティに迎え入れてくれたのがとても嬉しかったです。
何より予想外だったのは、このSNSコミュニティではシングルマザーがむしろモテモテだったということです。こちらにアプローチしてくる女性やトランスジェンダー男性にとっては、私に子供がいるということはマイナスどころか、「かわいい子供までいるなんて!」とむしろボーナスとして受け止められていました。私はこのSNSコミュニティで、喪失していた自信をすっかり回復させてもらいました。
ここで私は、一人のトランスジェンダー男性と知り合い、お互いに好意を持ちました。好みや性格もとてもよく合い、この人とだったら再婚したいな、と思えるくらいすてきな人でした。幸い向こうも同じ気持ちだったのですが…この恋愛の障害となったのは「距離」と「国籍」だったのです。
彼は外国に住んでいたので、気軽に会ってみることもできませんでした。試しにデートしてみたくても、お互い働いている状況では、なかなかスケジュールも合いません。それに付き合ったところで、一緒に暮らそうと思ったら、どちらかが国外に引っ越さなければならないのです。子供がいる状況で、それは無理でした。残念でしたが、自然消滅してしまいました。
このようにSNSでは、気の合う人と自然に出会うこともできる一方で、距離がある場合は実際に付き合うのは難しいなと感じました。
離婚してから実際に付き合った最初の男性は、もともと私の長年の親友だった男性でした。大学時代に知り合い、グループでいつも一緒に行動していた男性で、私の離婚に至るまでの事情もすべて把握しており、いつも相談にのってくれていました。当時彼は隣の県に住んでいたのですが、子供を連れて気晴らしに遊びに来ないかと誘われ、久しぶりに会ったのがきっかけでした。
彼とはもともと友達同士だったので、一緒にいて本当に自然にリラックスできたことが幸せでした。子供を連れていたこともあり、出かけた先では家族連れと間違われて声をかけられ、ちょっと恥ずかしくも嬉しかったことを覚えています。彼からは最初から再婚を前提とした交際を申し込まれ、彼の人間性も好みもよく分かっていたので、私も安心して付き合いをはじめることができました。
しかし、付き合い始めて数か月後、ささいな揉め事から大喧嘩に発展してしまい、私は彼と決定的に相容れないと感じたことをきっかけに別れることになりました。どんなに仲の良い友人同士だったとしても、カップルになってみるとうまくいかない部分も見えてくるんだな、と学びました。また、彼との交際は他の友人たちにも非常に応援されていたので、別れたことで友人同士気まずい思いをしたのも困りものでした。
その後、友人の紹介で、私は別の男性とデートをするようになりました。彼と私は、友人同士の集まりを通じて数回顔を合わせたことがある程度の間柄でした。しかし、彼が以前から私に好意を持ってくれていたらしく、私が離婚したと聞き、友人に紹介を頼んだのがきっかけとなったのです。
仲のいい友人の紹介だけあって、この男性はとてもすてきな人でした。私と性格や趣味、考え方もよく合い、友人からもとても信頼に足る男性だとお墨付きをもらっていました。実際友人の言った通り、私たちはとても楽しい時間を過ごすことができ、彼自身がシングルマザー家庭で育っていたこともあり、私の状況にもとても理解がありました。
このあと、わたしが現在の夫である男性と知り合ってしまい、彼も急に仕事で転勤が決まったため真剣交際には至りませんでしたが、今でもとてもいい思い出として残っています。自分と相手のことをよく理解している共通の友人の紹介というのは、うまくいきやすいのかなと感じました。しかし、紹介してくれる友人との関係もよほどしっかりしていないと、別れたときに気まずくなってしまう可能性があると思います。
私が現在の夫となった男性と知り合ったのは、職場の関係者として一緒にプロジェクトに携わることになったのがきっかけです。二人ペアで作業することが多かったため、自然とプライベートな話もするようになり、まずは友人として仲良くなっていきました。最初はお互い、仕事関係者と恋愛する気はまったく無かったのですが、一緒にいる時間が長くなっていくうち、お互いへの気持ちが育っていき、付き合うことになりました。
職場で知り合ったので、相手の仕事スキルや性格、考え方などを、時間をかけてゆっくり知ることができたのは大きなプラスでした。一緒に働いているので、お互いの仕事に理解があり、協力する姿勢を養うことができたこともメリットの一つでした。
しかし、仕事に支障をきたしたり、職場でうわさされたくなかったため、私たちは交際を隠すのに苦労しました。職場が繁華街の中にあったため、レストランで食事をするのにも気をつかい、デートはほとんど個室のお店か自宅を選び、通りを歩くときは離れて歩いたりもしました。また、私たちは結婚したからよかったものの、もし別れていたとしたら、職場で一緒に働きづらかっただろうなと思います。
シングルマザーの出会い方には、他にもたくさんの方法があります。とくに再婚を望む場合、このような方法をつかうと、真剣に結婚を考える相手と出会える確率が高くなるようです。
マッチングアプリを通じた出会いのメリットは、SNS同様、スマホやパソコンさえあればできるので、時間がないシングルマザーにはぴったりです。マッチングアプリの場合、出会いが目的なので、近所に住む人を探したり、好みの人を見つけることができるので、恋愛に発展しやすいと思います。
しかしデメリットとしては、どんな人と出会うか分からないため、安全上のリスクがあるということが挙げられます。ネットワーク上では自分の経歴を隠すこと、まったく違う誰かになりすますこともできるということを念頭に関係を進める必要があるでしょう。
結婚相手を探すための婚活パーティーなら、同じ目的を持った相手と知り合うことができます。しかもその場で実際に顔を合わせて相手を選ぶことができるので、オンラインの出会いやお見合いのように「会ってみたらイメージと違った」ということもないのがいいポイントです。シングルマザー向けの婚活イベントやパーティーなどもあり、催しによっては託児サービスの提供や、子供連れで参加できるものもあるようです。
シングルマザー用の婚活パーティーは、まだまだ数が少ないのが現状ですが、これから徐々に増えていくことを期待しましょう。
確実に再婚したいというシングルマザーには、結婚相談所がおすすめです。経験豊富なスタッフがしっかりマッチングし、相手に会う前に子供がいることなども話しておいてもらえるので、プレッシャーが減ります。結婚の意志がある男性を定期的に紹介してもらえるため、自分からアクティブに動いて出会いを探すのが苦手でも大丈夫な点が心強いですね。
しかし、サービスのきめ細やかさに比例して、費用は高額になりがちなのが課題でしょうか。費用はかかっても、出来るだけ早目に再婚したいという人にはおすすめです。
私自身シングルマザーとして恋愛していく中で、子供を抱えての恋愛は、確かにさまざまな制約があるものの、同時に非常に純粋で真剣なものになるのだと知りました。そして難しいと思われた新しい出会いにも、不自由することはありませんでした。離婚したから、楽しく恋愛できるんだ!と前向きになれたことが、何よりの収穫です。
これからシングルマザーになろうとしている人、現在シングルマザーとして出会いを探している人は、ぜひいろいろな方法を試してみて、自分に合う出会いの方法を見つけてほしいと思います。シングルマザーであることに誇りを持ち、すてきな恋愛をしていきましょう!